戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

穏やかな朝

冷え込みがゆるく穏やかな朝

手袋なしでも手がかじかみません

 

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青空にはえる白い山肌は雪解けが始まっているよう・・・

 

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館の敷地のフクジュソウも咲きだしました

 

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大声で自己アピールしながら飛び回るシジュウカラ

なわばりを主張しているのでしょうか?

 

一月にこんな光景みたことないです(@_@;)

大変大変と言い続けるのも いささか疲れてきました・・・

 

とりあえず過去の記録から言えることは

これまでのフクジュソウの開花の初認は

平年で2月末から3月頭、去年が最も早くて2月5日でした。

去年は4月に寒の戻りがあり、

サクラの開花は平年並みに戻りました。

 

さて今年は・・・?

これまでにないことをさらに経験してしまう可能性大

ちょっと 怖いです・・・(+_+)

 

標本はネバーエンディング

現在 大きな声ではいえませんが

大物の皮標本がちゃくちゃくと進んでいます

 

1つは1頭丸丸の1枚皮

もう1つは

ロケットパンチ2本と1枚皮のセットです

 

大型ネ●科動物とはいえ

4頭も作業すると

少しはうまくなるもので

ここまでは上々の仕上がりです

 

すでにご報告していますが

実はその作業途中・・・

冷凍庫が壊れました(;;)

 

皮標本を中心に保存していた冷凍庫で

急きょいろいろ作業をし

なんとか救えたものがこちら

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キリン(顔と尻尾)です

 

つながっているようにとってしまいましたが

もちろん別々の皮標本となっています

 

うまれてすぐになくなったので

動物園では展示公開できなかった子です

 

皮標本はできたので

これより公開です><

 

 

少しこのカットに懐かしさを感じてしまったのは

おいらだけかな?

 

おもわず

ファルコ~ン!

と叫んでしまうところでした

 

 

雪が降りました!

こんなことが話題になってしまうのですから、

大変な年です。

 

昨日の予報では「大雪」と騒がれ、

期待も若干あり、朝を楽しみにしていました。

 

結果、

長野市街地では積もらず、戸隠内の職員の自宅近くでは10㎝ほど、

博物館周辺はさらに少なく

 

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昼過ぎにはだいぶ溶けてしまいました・・・

 

私たち以上に雪を待ち望んでいたのは、

道路の除雪を請け負っている業者さんです。

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この量ですが、早朝のうちに、除雪にきてくれていました。

心中お察しいたします(-"-)

(↑例年ならかまくらが作れるくらい雪が積まれる場所です)

 

農業や観光にも大きな影響がでていると

連日報道されています。

 

週末も雪の予報が出ていますが、どうなるでしょうか?

ほどほどに降ってもらって、

この時期らしさが戻ってきてくれればと願います。

 

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こちらは昨日、松代から戸隠・飯綱方面をみたものです。

 

飯綱高原スキー場が見えていますが、

雪が少なく、現在、営業を停止しているそうです。

(積雪状況次第で、再オープンするそうです)

シーズンでの廃止が決まっているだけに、

最後ぐらいはにぎやかになってくれればいいのですが・・・

 

ゲレンデスキーが全くできなくて、

何の貢献もできませんが、

そんな思いもこめて空を眺める日々です。

 

 

雪は降らず・・・矢はふった

1週間前に心配した通り

雪はありません><

 

それどころか

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フクジュソウまで咲いてしまいました^^;

 

例年なら一番寒い時期なのに・・・

 

それでもお客様はくる!

予告通り 弓矢づくり を開催><

 

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弓は竹刀の廃材を利用

矢は職員自宅玄関に生えている黒竹を使用

(試作時は根曲がりだけ・・・)

 

こども1人につき 弓1 矢2本 を作製

 

矢じりはそれぞれ個性的に^^

カラフルに 形もいろいろ

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矢羽根は カラスとフラミンゴを使用

 

なんだかんだつくるのに

ほぼ午前中いっぱいかかり

 

お昼休憩をはさんで

飛ばすことに

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こちらは少し早く終わってお昼前にかっこよく飛ばす様子

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うっても誰にも当たらないであろう

グランドで試し打ち

 

上手にとんでいくこともあれば

しっぱいも^^;

飛ばすこと自体難しい子もいて

最近の子はこういう遊びにあまりなれてないのを実感

 

それでもできたものは

気に入っていたようなので

まぁ 良しとしよう・・・・

 

くれぐれも気を付けてあそんでね

 

さて来月は

「雪上観察でアニマルトラッキング

どうなることやら・・・

 

カエデの樹液の出も早めに確認しておいた方がよさそうかも・・・

 

今日は山をみる!

今日はお昼ごろ、少し晴れ間がでました。

 

その陽気に誘われ、昼休みには館の周囲を散歩…

 

デジカメをもって、うろつきます。

 

もちろん、この日記のネタ探しでもあります。

 

日当たりのよい場所では、オオイヌノフグリやノボロギクなども咲いています。

 

昨日ほどではありませんが、フクジュソウも咲くんじゃないか?

という陽気でした。

 

本当に水不足が心配になります。

また、2月・3月に大雪っていうのもやだなぁ…(-"-)

 

そんな中、裾花川の谷をみました。

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中央の谷が裾花川の谷、左側(北側)は飯縄山麓、右側(南側)は陣場平山系…

右側の少し白く見える平坦地が、坪山地域になります

 

手前の平らな畑は、博物館のある東の原

かつて、この平らなところを裾花川が流れていました!

 

その後、戸隠を含む西山地域の隆起(長野盆地の相対的沈降)があり、

裾花川は深い谷をつくっていったのです。

その間の浸食量は、標高にして約150m!

深い谷…

高妻山から流れ下る裾花川は、それだけの水が集まるのだ、という証拠…

 

その谷の先には、アズマヤ山・ネコ岳が見えます。

 

 

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漢字でかくと、「四阿山」「根子岳」です。

 

今、話題の地質時代チバニアン(千葉期)」

第四紀中期更新世(77万4千年~12万9千年前)の初期に

噴火をはじめた火山…

 

その噴火の溶岩は、ラグビーで有名な菅平高原をつくりました。

山頂部には大きなカルデラがあり、そこから流れくだった石ころは、

須坂市扇状地をつくりました。

 

博物館の北側には、飯縄山

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こちらも「チバニアン」 第四紀中期更新世(77万4千年~12万9千年前)の中頃に

噴火した火山…

 

そこから流れくだった石ころは、裾花川や浅川の扇状地になっています。

 

つまり、長野の周囲には「チバニアン」に噴火した火山だらけ、

そして、長野盆地の地下には「チバニアン」の地層がたくさんある…

ということでございます。

 

千葉県で18歳まで育ったワタクシとしては、ちょっと誇らしい気もします。

 

長野では、チバニアンは山の隆起が激しく、大変動の時代です…

千曲川の流路が大きく変わった時代です。

 

しかし、千葉ではちょっと深めの海に連続して砂や泥の地層がたまり続け、

その時代の記録をたくさん残しているということになります。

 

その地層には、地磁気の逆転や木曽の御岳の火山灰が保存されています。

微化石から当時の古環境も復元でき、その移り変わりも分かるので、

世界を代表する地層群に選ばれた、というお話です…

 

今日は、ちっとばかし、話が長くなりました。

 

最後に、こんなもので締めくくります。

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ハチがつくった巣なのですが、10㎝近くもあります。

高さも3㎝ぐらいあります。

 

大きな山です。

ドロバチかなぁ、しかし、よく作りましたよね…  

 

今日のところはこのぐらいで

 

暖かいです。

今日も暖かく、さらに日差しがあってぽかぽか陽気。

職員がふきのとうをとってきてくれました。

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え! こんなに出てるの!? 

と、おどろいて現場確認へ。

 

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ありましたありました^^!

 

早速、春のかおりをいただきました。

 

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きれいになった百葉箱に、気温をおうかがいしてみましょう

 

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9度!!

 

雪も全然ないですし、太平洋側の冬といったようす。

すっかり体がなまってしまってます。

このまま春になるわけではないと思うので、

覚悟だけはしておきたいと思います。

今朝は雨だった!

昨日の朝の寒さとは一転、今朝は雨になりました。

 

うーん 今年は本当にどうなっているのかな?

 

雨滴のつくるさざ波を撮影してみました。

 

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1月23日ですよ、八甲田山の日だとか…

 

長野県諏訪出身の新田次郎氏の作品として有名になった、

1902年の大量遭難事故の登山開始日だそうです。

 

それに比べ、今年は雨ですよ、雨…

 

先日、戸隠神社中社に行ったついでに、広庭を撮影してきました。

多い時は2mも雪があることもあるのに…

 

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昨日今日の暖かさで、これより少なくなっています。

 

雪が少ない分、有名な石造文化財をみることができました。

 

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江戸時代中期の戸隠の別当(戸隠両界山顕光寺のトップ)

「乗因」が設置したもの。

 

「山中支配領内守護不入」とあり、守護大名の権力に戸隠山は屈しない!

との意気込みをあらわしたもの、と考えられているそうです。

 

この「乗因」は、就任後に、いろいろな改革を行った別当で、

尾上(おかみ)に別荘を建てたことでも知られます。

 

「乗因」が中社から出て、麓に別荘を建てたので、

この地区が「おかみ」と呼ばれるようになったともいわれています。

 

後に訴えられ、当時の寺社奉行大岡越前守忠相」に遠島を申し付けられた人物で、

罪人として、歴代別当の名簿から消された、と言われています。

 

なかなか興味深い… タイムマシンがあれば、あってみたい人物の一人です。

 

当時何があったのでしょうか??????

 

考えてみると、なぜこの碑をたてたのか?

なぜ麓に別荘をたてたのか、不思議です。

 

雪がない戸隠は、いろんなものが見えてきて、不思議の輪が広がります。

雨のしずくのようです…

 

おあとがよろしいようで…