戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

今年も、あと5日かぁ…

早いもので、12月26日となりました。

丑年の元旦から360日、今年もあと5日となりました。

 

日本全体が寒波につつまれているようで、

東京都内でも初雪を観測した、とのニュースが流れました。

 

戸隠では、朝は止んでいましたが、

その後、しんしんと雪が降り積もっています。

 

今日は、開店していても休業状態かなぁ?

と、予想していたものの、裏切られてしまいました。

 

この雪の中でも、お客様が来館です。

 

あわてて、暖房や照明をつけに走り回ることになりました…

 

ありがたいことです… 

 

 

 

さて、閑話休題

 

昨日の朝の視察のこと、へんなものを発見です。

 

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雪氷の塊が並んで、立っていました。

 

 

ピアノの鍵盤のようにも見えるし、

 

痩せたモアイ像のようにも見えます…

 

 

 

 

 

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倉庫の屋根の雪が、落下したもよう…

 

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柴犬館長も不思議がっておりました…

 

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雪が降り積むと、すっかりモノクロームの世界に…

 

これは、これで、本来の戸隠の風景です。

 

先日から、戸隠竹細工の資料を追跡中…

 

ノーベル賞作家も引っ掛かってきました。

 

いやー戸隠は面白い、いろんな人が、いろんな形で評価をのこしています。

 

そのなかで、気になったのが、この画像です。

 

昭和40年ごろのもの…

 

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根曲がり竹(チシマザサ)を山で採り、それを運ぶ職人さん…

 

今なら軽トラでしょうが、みんな山から担いできたのです。

 

それだけの手間暇がかかった生活道具です。

 

調べれば、調べるほど味がでてくる戸隠ならではの「生業」です。

 

なかなか、面白いお題ですね…

 

「館長、そうおもいませんか?」

 

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🐕「まぁ、そんなもんかもしれんなぁ… 

   それより朝食じゃ、最近盛りがすくないぞ…」

 

雪降りで、散歩の距離が減っており、今まで通りに食べていると、

大変なことになりますよ… 

竹細工職人のように働いてくださいませ…

 

🐕「その言葉、秘書にすっかりお返しじゃ… ガウ、ガウ…」

 

今度から、朝食もボッチ盛りにしますか… 中はすかすかですぞ…

 

🐕「なに~ 秘書の分際で、館長に指図するか… ワン!ワン!ワン!!!」

 

今日も、こじれた関係で終わってしまいました…

 

 

サンタさんが待っている

本日はクリスマス

 

というわけでもないですが^^;

先日 当館のサンタさんから

いただいたものをご紹介

f:id:Naturalhistory:20211225154754j:plainオオワシの幼鳥

らしいです

イヌワシではなさそうなので 

大きさから言っても

オオワシかな

 

画像だけだと大きさがわかりにくいかと思いますが

台入れて1mを越えます

 

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足もごっつい!!

 

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マナヅル

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タンチョウ

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アナグマなど

日本でも見られる生物だけでなく

 

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割とはく製では

よく見られる センザンコウから

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クロザル(インド)

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ジャコウネコ(産地不明)

もう1体あるのはもってこれず><

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オポッサムまで!

袋鼠(フクロネヅミ)

子守りネズミ と書いてあったので

 

陸上だけでなく

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アザラシ

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カツオドリ

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イルカの仲間まで!!!

 

ちなみにこちらはきれいにしたもの

その前は

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ずいぶんきれいになったのです

こちらは来年の夏にはお披露目できるかな~

 

 

実は

こうしたサンタクロースは

当館にはたくさんいまして

なかなか取りに いけてません

おそらく

サンタさんも首を長くして待っている状態・・・

捨てられる前にいかないと^^;

 

変わった博物館は

プレゼントをくれるサンタさんも

来る のではなく

待っている という

変わったシステムなのでした

しかも

クリスマスとは限らない><

クリスマス・イブ

今日は戸隠は晴れましたよー…

 

しかし、

 

♬ 晴は夜更けすぎに、雪へとかわるだろ~ ♪

 

例のクリスマスソングの替え歌からはじまります。

 

明日からは寒波襲来で、大雪が降るとの予報です。

 

 

 

 

地元の方々からの相談やらお願いがあり、

 

今日は、中社の公会堂へ赴きました…

 

 

中社からの戸隠山の眺め

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この集落には特産品があります。

 

雪の多い地域に生える「根曲がり竹」を使った、竹細工です。

 

冬場の手仕事として、江戸時代から生業となってきました。

 

細い竹を割り、削り、編む…

 

 

中社の公会堂にも作品が展示されています。

 

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素晴らしい技術です。

 

ずっと続けていてもらいたいものです。

 

それをどうにかしたい…との相談です。

 

この竹細工は、いつ頃始まって、どこに独自性があるのか、

 

この技術はどのように生まれ、伝承されてきたのか、

 

これから、どうなっていくのか…

 

そんな課題を博物学の立場から、解き明かして欲しい、

 

とのご依頼です。

 

 

 

 

うーむ、製作年の記されたモノがあれば簡単なのですが、

 

生活雑貨には、なかなか記録が残りませんねぇ (+_+)

 

どうしたら、きちんと証明できるでしょうか?

 

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昔の絵はがきに、一の鳥居をくぐる、竹細工を積んだ牛が写っていました…

 

こうした小ネタを集めていくしかないか…

 

う~ん、悩みどころですね…

 

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🐕「秘書よ、Boys be ambitious じゃ!!!

                     もう、じじいだけどな… 」

 

 

「じじいは心外ですが、なんとかなりますよね、館長…頑張ろう!」

 

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年老いた、秘書は、雪の降り積む戸隠山を祈りました…

 

「なんとかうまくいきますように…」

 

今日も、一応、おあとがよろしいようで…

 

追伸 そういえば、小学生のころからこの博物館に通っていたM君が

   地球科学系の大学に無事合格した!という知らせがとどきました!

 

   また、今年お手伝いをした中学生の研究が、賞をいただくことになった、

   とのうれしい知らせが届いています。

 

   やはり、Boys be ambitious のようです!!!

1枚の絵ハガキから…

絵葉書コレクターの友人が以前に入手してくれた、1枚の絵ハガキがあります。

 

タイトルは「裾花川の景」 (朝陽館版)とあります。

 

朝陽館は「ちょうようかん」と読み、

市内善光寺参道にある老舗の本屋さんのようです。

荻原書店として、現在も続いているとのこと…

 

明治元年創業で、以前は本や絵葉書も発行していたのでしょう。

奇しくも、新しい市長と同じ字…

明治元年といえば、保科五無斎さんの生まれ年でもあります…

 

そこには、裾花川の河原の写真が印刷されています。

 

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えっ?なにこれ…

 

河原が一面石ころだらけです。

 

単なる風景写真というよりは、土石流が流れたあとではないか、との予感…

 

裾花ダムができる以前の画像です。

 

詳しい撮影場所は調査中ですが、一体、いつのものなのか?

 

本当に裾花川の写真なのか…?????

 

ぐるぐるといろんな思いがまわります。

 

左側の道は、現在の国道406号線か… 

 

そうすると左奥の集落は「小鍋」になります

 

善光寺温泉のちょっと上流、湯ノ瀬ダム付近の風景だろうと予測しています。

 

 

裾花川の河原が、巨礫で埋め立てられています。

 

さてさて、?????

 

 

まず、絵葉書の裏側?を見ます。

(宛名や文字を書く面 通信面というのだそうです)

 

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仕切りの線が3分の1ぐらいのところに引かれています。

 

1910(明治40)年4月~1918(大正8)年3月までに

この絵葉書は印刷されたことになります。

 

その間にある、裾花川の災害について記録を当たってみると、

1909(明治39)年7月31日の鉄砲水災害の可能性がでてきました…

 

この災害は、荒倉山周辺に集中豪雨が降った時に発生しました。

当時の新聞記事からは、妻科付近で約2.4mも水位が上がり、

一部では、浸水したようです。

 

電話などの通信手段もなく、死亡した人々が川に流されてきたことで

上流部で大災害があったらしい、と気づいたとのこと…

 

記録によれば、14名の死者があったとされます。

 

可能性としては、その直後の撮影だと思われますが、

なぜ、この災害後の風景を絵葉書にしたのか、謎が残ります。

本当に裾花川なのかも含め、

もっと詳しい調査が必要な絵葉書でした…

 

今日は、全くおちがなく、すみませんです。

 

やってみなくちゃわからない

先週の日曜は、展示室からのライブ配信が話題になりました。

もうご覧になりましたか?

長野県公式「NAGANO観光アカデミー」 (go-nagano.net)

 

 という私もまだ見ていないのですが^^;

 

前日からの準備の様子は、ちょっとだけ覗いています。

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ライティングなども思ったより本格的で驚きました。

学芸員がのぞいているモニターはこんな感じ。

 

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奥にはディレクター席も

 

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見慣れた展示室が、すっかりスタジオに変わっていました!!

いや~~~ 驚きです。

 

ネットの配線もしていただいて、無事にライブ配信ができました。

やってみればできるものですね^^;

 

 

今日もボランティアさんと初体験にチャレンジ!

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紙漉きです。

材料や道具がしっかり用意されていて、

丁寧に教えていただいたので、

大小3枚ほど、なんとか漉くことができました。

 

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ボランティアさんは、

漉き終わってから水の雫を落とすという技(落水)

で模様をつけていました。

 

このまま乾けば、きれいな模様になりますね!

なるほどです^^

 

柵地区ではかつて紙漉きが盛んに行われていました。

材料になるコウゾやノリウツギは自生しています。

あとは道具があれば博物館でもできるかも・・・

ともくろんでみたのですが、

実際にやってみると、

色々なこつや微調整が必要なことがよくわかりました。

 

まさしく、

 やってみなくちゃわからない・・・

を体感しました。

 

しかし、一緒に初挑戦をしたボランティアさんは

あっさりこつをつかみ、

私よりもはるかに上手に仕上げていました!

 

これも意外で(ごめんなさい!)、驚きでした。

 

ホントに

 やってみなくちゃわからない・・・・

です^^;

 

 

(おまけ)

 それにしても、なぜ「漉く」という漢字には

 「鹿」の字が使われているのでしょう?

 調べてみなくては・・・

 

今年もあと10日か…

気が付けば、12月21日です。

 

今年もあと10日間ほど…

 

明日は冬至です。一年で最も昼間が短い日…

 

今朝の朝焼け…

 

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カボチャやユズ湯が思いだされます。

 

今日は晴れたので、道の雪もだいぶ解けたようですが…

 

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朝はまだ雪がたくさん…

 

凍って滑ります…

 

先日もスッテンコロリン…

 

皆さんもお気を付けを…

 

 

閑話休題

 

野暮用で鬼無里へお出かけしました…

 

裾花川沿いを移動するのですが、

 

途中でこの谷を眺めました…

 

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考えてみると、とても浸食がすすんだ川で、深い渓谷を作っています。

この渓谷が、深くまで浸食されたため、地層が連続して観察できる地なのです。

 

 

そして、長野県庁のすぐ西側にあたり、

長野県を代表する地層見学地に選ばれたのです。

 

最初に本格的に調査が始まったのが、明治時代…

浅川油田も稼働中だったこともあり、長野の地質が注目を集めていた時代…

 

いろんな方が調査を行い、科学的な考え方を深めた場所でもありました…

 

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この川の源流は、戸隠連峰高妻山

 

雪が多く、雪解け水も多い川

 

激しい大地の隆起で、滝のような川ともなっています。

 

 

石ころが、とても流れやすい川でもあります。

県庁前の扇状地をつくった川でもあり、氾濫を繰り返した川…

 

善光寺の下もおそらく、この川が運んだ石ころがあります。

 

そんなこともわかってきました…

 

水が多いので、硬い地層も削られました

 

裾花ダムも、この硬い地層を生かして作られています…

 

そして、長野県初の水力発電所もこの川の水を生かしました。

 

長野市でも古いとされる「鐘鋳堰」もこの裾花の水…

 

そう考えると、最近は裾花川の水の動きと

その流域の大地との闘いの歴史や

ヒトの暮らしとの関連を調べているような気になってきました…

 

終わりのない物語ですが、

その一端が長野県立美術館の地下にある石ころから見えてきました…

 

おもしろい、面白い…

 

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今日は、柴犬館長も、ふんふんとうなづきながら聞いてくれました。

 

ライブ配信が終わったので、こんなこともしゃべればよかった…

 

と考えることしきりです…

 

今日は、おあとがよろしいようで…このへんで…

 

雪はすごいけど 熱い日でした

今日も雪です

 

開館するころまで降って

その後も降るものの

積もらなそうな予報だったのですが

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夕方まで降り続けました^^;

まぁ 上の方はここの倍ふってるそうなので

まだ かわいいものなのですが

 

それでも 桜の枝が折れた

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ずいぶん痛んでいたのもありますが・・・

何もないところで落ちたのでよかった

 

そんな雪降りの中

今日は2つの大きなイベントがありました!

1つは

わくわく入門「味噌づくり」

 

参加者も雪で来ないかも

と心配していましたが

希望者はだれも欠けることなく来てくれました

ありがたいことです

 

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大豆は数日前から煮込み

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麹も一部は手作りし

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そこまでしていれば

作業は単純

 

分量もわけてあるので

 

大豆を潰し

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麹と塩をまぜ

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それらを合わせて

空気抜いて入れ物に詰める

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あとはできるのを待つ!

 

皆さん手際よく進めるので

1時間ほどでおわってしまいました^^

 

そのせいか

参加した子どもたちは 

元気があふれてまして

その後は雪遊びに没頭!

1時ころまで遊んでいました

親たちは寒そうだったけど・・・

 

そして

もう一つは 生配信!

 

いや~ 面白かったです^^

幸い?

雪が降ってて来館者もないので

職員も見られました^^;

 

https://www.youtube.com/watch?v=YTMCoD-wWp8

その様子はこちらで見られますよ~

 

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