戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

初物

雪の少ない年明けとなりました。

昨日、今年初散歩をしましたが、歩きやすくて助かります^^

 

田んぼごしの雄大戸隠山

寒くても、この景色を見るために歩こうと思えます。

 

田んぼの上にはいろいろな動物の足跡がありました。

テンやタヌキ、イノシシらしきも。

今年の干支のウサギのものは、個人的には今年初です。

 

奥に行くのと、手前にくるのと、左側通行で並んでいますが・・・

同じ個体なのでしょうか??

足跡鑑定では、個体識別は難しいです・・・^^;

 

道を挟んで反対側では、畔の斜面を登り・下り

電気柵の障害物も乗り越えます!

これだけ見るとウサギの運動会でも開かれていそうな雰囲気です。

思わず脳内で、かけっこ競技の音楽が流れます^^

 

こちらは、途中で跡が乱れて消えています!

事件!! ではなく、鳥が飛び立ったもののようです。

大きさからカラスではないかと思われます。

それにしても、カラスは案外、内またで歩くのですね^^

 

ご近所ではどんと焼の準備も行われていました。

 

近くで見守る道祖神もだいぶ古そうです。

 

お顔がはっきりしません。

残念ながら、彫ってある文字もかけていて、

年代がわかりませんでした。

 

今年初散歩なので、いつものコースをはずれてお宮参りもしました。

 

入口の狛犬の、こどもの頭にかけた手が優しげです^^

 

 今年もお世話になります。

 昨年は、いろいろ不穏なこともおきましたが、

 大きな災いがなく、この一年を無事にすごせますように。。。

 

よろしくお願いします!

と、よ~~~~くお祈りしました^^

 

干支展示

年明け 同僚から

骨部屋にウサギの骨でてるから

干支展示みたいなのどう?

っという ご意見をいただきました

 

言われてみれば

干支 なんて ほぼほぼ 脊椎動物

骨部屋なら できそうって思って

 

鳥頭の更新の隙間をぬって

干支展示の検討を始めました

 

どうせなら 

あらかじめ干支を全部入れておけば

その後の更新は

 今年はこれ! くらいとか思ったりして^^;

 

しかも 

ほぼほぼそのケース内には

干支がらみの標本がそれなりに入っていたので

足りないものや面白そうなものを追加するだけ

ってことで

 

2日ほどで とりあえず 一揃え いれてみたので

その一部をご紹介

 

まずは 子

骨も飾ってますけど^^;

透明標本です

つくったものの いまいち透明化が 微妙だったのですが

この際だしちゃえって>< 

という勢いが勝ちました

 

鼻先は軟骨なので

青く染まっていて

きれいですよね

(とか言ってみる)

 

ただいま洗浄 乾燥中で 

まだ 展示できていませんが

 

某動物園で 

ライオンにあげて 

くだかれた牛の大腿骨です

 

ここだけの話 いっそのこと 

砕いたのは トラ ということにしておくか 

とも思いましたが

ホラ は ともかく 

ウソ は いけないと

思いとどまりました

 

ちなみに干すときに

いけないものを見つけて

余計な作業が増え

作業部屋は現在大変なことになっています><

いつかその惨状もご紹介できるたらいいな・・・

 

なんのひねりもなく トラの頭骨レプリカです^^;

 

今年はこれ!

 

ジャンボウサギの交連標本です

よくみると指先が外れていました><

治さねば!

 

さすがに本物の龍は 収蔵していませんので 

こじつけるしかない><

 

ってことで 龍骨 ゾウの化石です

しかも 骨部屋におきっぱになっていたもの^^;

 

漢方薬などでも有名ですが 

昔の人は大型の哺乳類の骨を

龍だと思っていたそうですよ

 

ついでに

もうひとつ

土竜(もぐら)です

もう究極のこじつけ><

 

なお

いろいろな骨をつかって

竜を組み上げるのも考えましたが

時間がかかるので^^;

(そういえばガチャの竜の頭骨もあったな・・・)

(どこいったべか?)

 

^^; アナコンダ の 頭骨 です

 

以降 なんのひねりもなくなります

 

馬の頭骨 と 前足セット

 

あまり資料がなくて^^;

ヒツジの角 と 蹄

 

某高校からいただいた 脱力系 サルです

 

実は鳥はたくさん入っているのですが

酉はニワトリってことで

今回は 手羽先標本をチョイスしました^^;

(他にもニワトリは はいってますけどね)

 

お世話になっている方のペットだった 犬の頭骨

 

 

ボランティアさん作

豚足の骨格標本です

イノシシのもあるのですけど^^;

ブタでもいいかって 

もともと はいっていたものなので・・・

 

ちなみに

干支展示は骨部屋に はいってすぐ右手のケースです

解説やらは まだですが^^;

1点(ウシの大腿骨)を のぞけば

ほぼほぼ展示してありますので

ぜひ干支資料を探してみてください

もちろん はずれ (干支とは無関係なもの)も 入っています

 

はたしてケース内の干支展示は何点あるのか?

すべて見つけられたら 

いいことがあるかもしれませんよ~

裾花川をみる…はずでしたが…

今日は都合で、内容を変更しています…

 

それは、デジカメを忘れてきたからという単純なミスから生じました。

 

🐶「新年そうそう、秘書よ、大丈夫か?」

 

このところの失態続きで、柴犬館長にも心配されてしまいました…

 

「しまった…館長 すみません…」

 

夕方まで、お客さまをご案内していたせいです…

 

🐶「アホウ…じゃ、貴様…」

 

昨日撮影した、冬の裾花川の話題は、先送りにせざるをえません…

 

そこで、元日の画像で、お茶を濁します…

 

 

初詣の帰り、柴犬館長と牛の石像の前でのショット…

 

雪の少ない様子がうかがえます…

 

 

 

朝陽を浴びてキラキラする、地上の星… 

 

中●みゆきさんではありません…

 

そして、カメラを忘れたのに途中で気づき、撮影した今日のほぼ満月…

 

今日は「小寒」です…

 

寒の入りになりますが、ほぼ満月と大頭山のツーショット…

 

ウサギさんが餅をついているらしい、天体の画像です…

 

今日のところは、これでご勘弁を…

 

🐶「秘書も、もう年なのじゃ… これで勘弁してやってたもせ…」

 

5歳の柴犬館長にこういわれては、ぐうの音もでません…

 

今日もおあとがよろしいのでしょうか?

鳥の頭骨展示更新の途中経過と小ネタ

今日は良いお天気 ほぼほぼ快晴です

時折吹く強い風で かなり寒いです><

 

そんなときに水洗いすると手がとても痛い;;

でも 頑張ってます

 

というのも

鳥の頭骨展示の更新を宣言したから ^^;

 

年末年始も少しずつ進め

候補資料が増えてきました

この中から今日は少しご紹介

 

1つ目

こちらは 鳥と言えばなに?

って聞かれたら

おそらく早いうちの出てくるだろう種類です 

 

どちらもこの辺では見かけるのですが 

一方は少し珍しいかもしれません

 

ヒント

1 鳥の中でも 一大グループを形成する鳥の中の鳥

2 舌を切られてしまうことも

 

 

簡単ですね

答えは

スズメです

スズメは右側

左は ニュウナイスズメで スズメとは別の種類になります

生きている姿は似てる

でも やっぱ違うって感じがしますが

骨にすると頭部の大きさの違いくらいしかなく

かえって区別がつきづらい気がします^^;

ラベルがなかったら大変かも・・・

 

次は

(まだクリーニングが不十分でした><)

キツツキの仲間で アオゲラです

こいつの特徴は何と言っても 頭のみぞ ですね

他のグループの鳥にはまずない このみぞ!

頭頂部からくちばしの付け根まで続いています

 

これ 実は 舌が収納されている場所なのです

 

キツツキの仲間は

穴をあけて虫を食べますが

開けた穴に

長い舌を差し込んで虫を捕まえます

そのために

長い舌を収納する場所が必要で

 

口の中

後頭部 

頭頂部 

そして

くちばしの付け根までつかって

舌をしまっているのです

 

実はアオゲラは身近な鳥

さきほどもハイテンションでキーキー鳴いていました

旧館の壁を穴だらけにする困った子です^^;

 

次は

キバシリです

スズメよりも小さい鳥です

戸隠では割と見られます

 

ちなみに下に見えるのは付箋で幅は1.5㎝です

比べると大きさがわかりますね

 

キツツキとは違いますが

木の幹をらせん状に移動しながら虫をさがして食べます

虫を捕まえやすい様に

くちばしが反り返っているのが特徴です

 

こんな感じに

上も 下も きれいに下方に反り返ってます

まるで 先の曲がったピンセットのようです

でも

本当に食べやすいのか 聞けたら聞いてみたいところですが・・・

 

次は

ひょっとすると通な人はすぐわかっちゃうかも

なにしろその特徴が名前の由来になっている鳥です

 

漢字だと 交喙 書くようです

意味は ねじれてかみ合わない だそうです

 

言われてみれば くちばしの先が 

上は 向かって 右に

下は 向かって 左に

ねじれていますね

 

答えは イスカ です

長野市内でバードストライクにあった子なので

見かけないわけではない鳥です

 

最後に

左は山ではよく見ます

右は神社などでもよく見ます

 

そう

ハトですね

 

左が キジバト

右が カワラバト(ドバト)です

 

親戚だけあって よく似ています

 

ドバトはくちばしで

水をストローのように飲むことができるそうです

 

他の鳥よりも空洞が大きい

このくちばしが役に立つということなのでしょうが・・・

謎ですね

 

あ でも ケラチンの皮をかぶせると

ストローのようになる気もしないこともない・・・かな?

 

紹介したのは 

少しですが いかがでしょうか?

鳥も 興味深いですね

そして

やはり 骨は 面白い

 

これらの標本は

鳥の頭骨展示を更新したら見られます

 

春までには 

何とかしたいと思っていますので

乞うご期待!

 

新年 あけましておめでとうございます。

2023年、本日より営業を始めました。

 

早速、今年初の入館者がありました…

初 水晶ひろいもされていかれました…

 

柴犬館長より、新年のご挨拶…



🐕「みなさま、新年あけましておめでとうございます」

 

🐕「今年も、ひとつごひいきに…」

 

🐕「山の中の博物館をよろしくお願い申し上げます…」

 

 

戸隠は、年末年始と割とおだやかなお天気で、

朝、雪がさっと積もるぐらいでした。

その後は、お日様も顔をだし、晴れ間となっています。

 

元日は、柴犬館長と近くのお宮に初詣に参りました。

 

豊岡神社です…

 

江戸時代、ここに里の年貢米を納める蔵があったそうな…

にぎやかな夜祭は、その名残ともいわれます…

 

戸隠カルタでもご紹介しました…

   とよおかの 夜祭 年貢の納め時

 

 



 

 

その後、戸隠山飯縄山を眺めます…

 



今年もよい年になりますように…



🐕「ウサギ年の話題はないのか?」

 

そうそう、雪が少ないので、獣たちが餌を探して

雪や土をほじくり返した跡を発見!

 

シカかイノシシのようです…

 

チョキのげそ痕 を 確認しました。

 

奴らも、生き延びるために必死なようです…

 

ノウサギたちもはしゃいでいます… そこら中にげそ痕が…



そこで、今回はやってみました…

 

ムンクの叫び…

 

🐕「ワシには、お化けの●太郎にしかみえん… 未熟者…」

 

今年初の未熟者… いただきました…

 

今日もおあとがよろしいようで…

 

今年もこのブログの読者のみなさま、よろしくお願いいたします。

 

今年、寅年のしめくくりに思う…(後編)

昨日の日記の続き…

8時間耐久解説を受けた、社会人大学院生の感想の後半です。

 

画像は、今朝の柴犬館長視察風景から…




 

今回の8時間解説では、それまでの断片的な知識だけだったものが、

「なるほどそういうことだったのか」と、つながるような気づきが

たくさんありました。

終盤に学校のはじまりや教育についての貴重な資料を見せていただきました。

時代の変化とともに、その学びや教育においての大切なことを私たちは忘れて

しまったのではないか、ということも深く考える機会となりました。

 

8時間はとても長いようですが、私にとっては興味深く面白かったのです。

さすがに「アッという間」ではなかったけれど、またいつかチャレンジしたい!

という気持ちになるぐらい貴重な時間になりました。

(途中の水分補給は大事です)

 

地域のことを知ることは、今を生きる私たちにとって、

とても重要な学びではないかと再確認できたことがとてもうれしいです。

長野の人はもちろん、そうでない人もこの博物館にぜひ足を運んでほしいと

思える充実感と満足感。この魅力は、ゆくゆくはインバウンドも引き込める

のではないかと勝手ながら妄想しています。

そして、NHKの某番組で、この館の学芸員の解説で一本の特集を

つくってほしいと思うのは、きっと私だけではないはずです。

本当にありがとうございました。

終わりに一言でまとめると、長野・戸隠の地域がますます好きになりました。

これはもう偏愛がとまりません。

 

🐕「Nさん ありがとうございました。」

 

 

🐕「よい感想です、館長としてもうれしい言葉をいただきました…」

 

 

昨日の夕方の画像、赤富士ならぬ…赤飯縄でした

3階立ての某事務所から…

こちらは、今朝の視察途中の西岳…

 

 

🐕「秘書よ、8時間もよく頑張ったな…」

 

ありがとうございます!

 

こうした解説ができるのも、戸隠がとても面白い場所だからです。

 

海だったところが山になり、

コメのとれないなかで、人の智恵で暮らしてきた里…

 

そして、地域のみなさんになんとか支えられてやってこられたからだ、

と考えています。

 

寅年の最終営業日、こんなことを考えました。

 

🐕「来年は兎年、飛躍の年になるでしょうか?

皆様、地の果ての博物館へ、ぜひお出かけください」

 

🐕「今年も、このブログを読んでいただき感謝申し上げます。」



来年は1月4日(水)より、営業を始めます。

来年もよろしくごひいきの程、よろしくお願い申し上げます…

 

寅年のしめくくりに思う…(前編)

令和4年も、あと2営業日となりました。

コロナウイルスの感染は収まる様子がみられませんが、

行動制限が解除され、この博物館を訪れる方が増えています。

 

開館して14年目なのですが、有料入館者の数が過去最高となっています。

どうしたことでしょう…?

 

🐕「それは喜ばしい、館長としても鼻が高いぞ…」

 

善光寺御開帳で、その後戸隠も参拝するお客様も増えているようです。

また、今年はいろいろな機会で、テレビや新聞の取材等があり、

その影響もあったのかもしれません。

 

しかし、なんといっても、この博物館に訪れた方々の口コミの影響が

大きいのかもしれません。

 

窓口でいろいろお客さまの話を聞くと、

「あの館は良かったと人にすすめられた…」

「一度では見切れないので、また来た…」

という方が結構いらっしゃいます。

 

 

「道がわかりづらい」「どうして、こんな場所にあるんだ…」

という声も多いですが…

 

展示解説を希望される方も増えてきました…

その解説を聞くツアーのお客さまも何組かいました…


🐕「ほほぅ~ それも楽しみな事じゃ…来年以降に期待じゃ…」

 

普通の博物館とは、ちょっと違った当館が、

ようやく世の中に認知されてきたのかな?とも思います。

 

令和4年の締めくくりとして、

今月6日に8時間耐久解説にチャレンジした社会人大学院生から

寄せられた感想文を、前編・後編にわけて紹介することにします。

 



 先日、博物館で朝から夕方の閉館まで、マンツーマンで8時間耐久解説を受けました。これまでに何度か訪れ、見学はしましたが、詳しい解説を受けたことはありません。知人の学芸員の紹介で受けてみようと考えた次第です。

 長野市出身で、仕事として観光や地域活性化に取り組んでいました。地域をよく知ることの大切さを痛感しています。地元のことでも知っているようで実はよくしらないことがたくさんあります。地域の生い立ちや歴史・文化・伝統、そこに暮らしてきた人、商いなどの営みも十分に理解できていないことがまだまだあるように思いました。

 大学院では、地域の事業者に向き合い、課題を整理し、地域の魅力を次世代につなげていくきっかけづくりを研究しています。そのためには地域をよく知り、地域の人たちの信用・信頼を得ていくようなていねいなコミュニケーションが必要だと考えています。そんな目的もあり、まずは大地の生い立ちから学び直したいと申し込みました。

 今回、海だった長野が盆地になっていく移り変わりを中心に学ぶことができました。その後、火山噴火や隆起を繰り返し、河川によって運ばれた大量の土砂によって、長野の海が埋め立てられていく過程も順を追って解説をうけました。そして、長野盆地西側の断層が動き、山地側の隆起と盆地側の沈降が現在のような長野盆地善光寺平)を作っていく様子をイメージできるようになりました。

 現在も戸隠など山の隆起と長野盆地の沈降は続いているということには驚きました。善光寺がなぜあの場所にあり、門前町が広がっていったのか、その理由をリアルなまち歩きと合わせ、断層を感じながら仮説を立てられるようにもなりました。また、山間地に暮らしてきた人が盆地におりてこられたのは、エネルギー(電気など)や上水道を人が整えていったからだという視点も学びました。

 

                           (後編に続く…)

 

 

🐕「年寄りの話はちょっと長いが、明日も読んでやって下され…」

 

 「よ・ろ・し・く・・・ お・ね・が・い・」