戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

新年度 始まる…

2024年度 最初の開館日です

 

職員の辞令交付や新しく戸隠に赴任された学校の先生方がご挨拶に見えられたり、

 

もちろん春休み中ですので、お客さまも来館!

 

じつは、昨年度、当館は最高入場者数を記録しました!

 

この公共交通機関のない、山奥の博物館にしてはすごいことです…

 

ネットの評判などで、大勢来館いただいたことが原因かと…

 

 

🐕「ワシのかわいい姿も、評判なのじゃ…」

 

閑話休題

 

年度末、寒さの続く戸隠を離れ、地層大国、千葉県に行ってきました…

 

 

 

南房総でもようやくソメイヨシノが咲き始めました…

 

 

初日の目的は… ここ…

 


当日の午前中 強い雨がたくさん降ったので、

狭い道に倒木があり、直接はいけません…

仕方なく、歩いて進むと…

 

 

千葉県天然記念物を示す石碑

 

 

その横には、檻があって、中にはサンゴの群れがあります

 

 

 

縄文時代の中期、千葉県までサンゴ礁があったという証拠です。

 

 

 

子どものころ、この話を聞いて、ビックリしたことを覚えています。

 

 

館山城が望める山間地、標高20m 海岸からは1キロメートルほど離れています…

 

館山湾の海面が高い時代があったことを示します

 

 

それを実際にみることができ、少々感動しました…

 

今年の正月の能登半島地震で4m隆起したことと結びつきます…

 

千葉県の南部は、フォッサマグナ地域の南部にあり、

 

その後の隆起が激しいところ…

 

地震のたびに隆起を続けてきた、地殻変動の激しい場所です…

 

 

柴犬館長秘書の出身地でありながら、きちんと学んでこなかったことを反省!

 

地層がよく露出しており、各所にお堂も建てられているのに…

 

今回は、そうした海底が盛り上がった場所の地質現象や名所を見てきました…

 

少しづつ紹介していきますので、ご期待を!

 

🐕「なぜ、ワシをおいて行ったのじゃ… ガウガウ…」

 

柴犬館長への報告書でもあります… 皆様もご一読を…

 

今日は、このへんで…

 








 

 

 

 

年度末は春の日差し

3月31日

とうとう年度末となりました。

今年度も多くのかたにご来館をいただき、

またブログを読んでいただいたりと、

当館をご支援いただき、ありがとうございました(*^^*)

来年度も変わらずごひいきに、どうぞよろしくお願いいたしますm(__)m

 

一昨日から全国的に気温があがり、

サクラの開花の便りがあちこちから聞かれるようになりました。

今日の戸隠は風はひんやりするものの、気温が14℃まであがりました。

 

 

オオイヌノフグリがびっしり咲いていると、

なかなか見ごたえがあります。

 

ハコベ以外、

オオイヌノフグリも、白いミチタネツケバナも、ピンクのヒメオドリコソウも、

外来種の天下ですが、すでに里の春の風物詩。

すなおに、春の到来がうれしいです。

 

テントウムシも忙しそうに歩いていました^^

 

ちょうど外で会ったボランティアさんとお話をしたのですが、

オオイヌノフグリの花に上下があるのをご存知でしょうか?

 

 

4枚見える花びらのうち1枚が細くて色が薄いです。

これが下側になります。

雄しべは2本

わかりにくいですが、真ん中に雌しべが1本あります。

 

先ほど「花びらが4枚」としましたが、

じつは、正しい表現ではありません。

花びら状の花弁が全て付け根でつながっているので、

正確には「花冠が4つに裂けている」と表現します。

 

そのため、オオイヌノフグリの花は

花が散るときに、全体がぽろりと落ちます。

 

用済みの雄しべも一緒に・・・

 

 

 

フクジュソウもだいぶ丈が伸びてきたようです。

毎年株が増えているように思います。

ボランティアのおじさんの整備のおかげですね^^

 

木がうっそうと茂っていたころは、

日影が好きなトガクシソウを植えていたのですが、

整備する時にプランターに植え替えました。

 

今日、はじめて霜よけから出してみたのですが、

無事に冬ごしできたようです。

 

よかったです^^

暖かい日が1週間もあれば、花が咲きだすでしょう。

 

あまりにいいお天気だったので、

日向ぼっこをかねて(館内が寒すぎるので^^;)

外仕事を少々・・・

 

 

除雪車に押されて剥がれてしまう芝を、はり直しました。

山積みだった雪も、ほぼ消えましたし、

近くのプールからは、産卵にやってきたヤマアカガエルの優しい声、

巣箱の周りをシジュウカラがせわしなく飛び回っていて、

春を満喫しながらの作業でした^^

 

ちなみに、冬ごしで思い出しましたが、

パイナップルは温室ですくすく成長しています。

 

 

長い葉は40センチほどにもなりました^^

ちょっと感動です。

こうなると、次は花を期待してしまいますが

それまでにはどれくらいに成長する必要があるのでしょう?

 

 

きらきらするものを探して その弐

昨日の夕方に来た残務を終え

ようやく 一息

 

脊椎動物は なかなか 難しいのではということで

無脊椎動物を物色

 

ってことで

今回は昆虫

 

ハチは目が光るというので

光りますね

 

では 甲虫

眼と白っぽいところは光ってそう

 

 

では つぎはセミ

眼だけでなく 体も光ってる感じ

 

トンボも

光りますね

 

サイカブトは全体的に光ってた

シロチョウ系は雌雄で違うというので

雌雄で紫外線を吸収するか 反射するかで違うため

色合いが違うというのだけど・・・

 

黄色になりました 

これもありなのかな?

画像は出してませんが

一応雌雄には対応していそうな感じではあったけど

 

ヤマキチョウは

体が光った

でも ほぼ全部光ったので雌雄は関係なさそう

 

他のチョウならどうかな?

眼や白い模様はひかってるかな?

? よくわからない

眼と羽根の付け根でわずかに光ってるかな?

 

この感じだと

昆虫は紫外線がみえるので

眼はかなり光る確率高そうですね

 

ただ虫ばかりでもなんなので

1F廊下の棚の引き出しの中にあった

トグロコウイカでも見てみると

光ってますね

 

軟体動物でも光りそうなので

他にも物色を続けてみます

きらきらするものを探して

春の企画展が無事スタートしたので

某職員は次の準備をしています

 

そう 夏は キラキラ展

 

館内でキラキラしたものを物色中

 

時間があるときには

ブラックライトをもって彷徨っています

 

ネットでカモノハシが光ると知っては

ブラックライトで照らしたり

大正元年のカモノハシ

ブラックライトで照らすと

光ってはいないかな~

ちなみにこれは365nm

395nmもあまり変化なしかな

 

では細部はどうだろう?

光ってるというのだろうか・・・

 

くちばしは?

・・・

 

後ろ足

・・・

 

論文では赤く光ると言ってたから 違うのだろうな これは

 

このカモノハシのはく製はもう100年以上も前につくられたもので

保存状態も悪いから しょうがないのかも

 

 

今度はウミガメも光ると聞いたのでやってみた

 

こちらはブルーライトで照らし 

イエローフィルター越しというので

自然光

 

フィルター越し

ブルーライトを照射

 

正直よくわかりません^^;

 

でも ネットで調べているといろいろな動物が光るのだ

ということがわかってきたので

昔 光ったけど 違う理由を疑ったものを ご紹介

 

当館自慢のオオカミの毛皮です

ここにブラックライトをあてると

光ってる感ありませんか?

 

ちなみに羊も

オオカミとは違いますね

光ってる感はオオカミの方が強い

いや オオカミは光っているのです!

なんでかはわかりませんが・・・

(かつては漂白剤を疑ったので 前回のキラキラ展では出さなかったりして^^;)

 

現在 こんな感じでいろいろ物色中

明日は 館内で見つけた 他のUVキラキラをご紹介予定

 

って 

今日は光ってるかどうかわからないものばかりでしたけど^^;

春の香りか…?

寒い3月も終わりに近づいてきました…

 

朝の冷え込みも和らいできました…

 

 

今朝がたの柴犬館長の視察風景…

 

日が昇る時間も早くなってきたので…

 

同じ時間でも長い影をみることができます。

 

雪もとけつつあり、ひたすら匂いを嗅ぎまわっています…

 

🐕「春の香りじゃ… 土だけでなく生き物も春めいておるぞ…」

 

しかし、今朝は-2℃

 

春めいたといっても、凍ります…

 

 

雪どけ水が凍っていました…

 

 

🐕「よく見ると、不思議な氷じゃ…」

 

雨が降ったせいなのか、気泡が白く見えていました…

 

ひたすら下を向いている柴犬館長は、いろいろと気づきます。

 

🐕「わしは下だけをみたり、臭いをかいでいるだけではないぞ、」

 

 

🐕「遠くもみて、未来を考えておるのじゃ…」

 

春が近づいている感じがしています。

 

スイセンフキノトウの芽吹き、

 

つららからしたたる水滴、

 

ちょっと酸味がきいた野沢菜漬け、

 

春はもうすぐそこ… 

 

サクラ前線もようやく東京に上陸しそうです…

 

今日もおあとがよろしいようで…

今日は晴れました…

昨日の激しい雨は、すっかり上がり

 

今朝は晴れ渡りました…

 

 

戸隠山には雲がかかっていましたが…

 

 

柴犬館長も元気に視察に向かいます…

 

雪や雨の日は、か・な・り、嫌がりますが…

 

🐕「何をいっておるのじゃ、未熟者…」

 

 

 

今日はテレビ局の取材を受けました…

 

 

長野市政番組の取材…

 

戸隠七不思議展の紹介です…

 

戸隠山飯縄山の地質の違い、

 

海が隆起してできた戸隠山、だからあんなに険しい…

 

飯縄山は、火山でなだらかな山麓をもち、水を貯える山…

 

その違いが、戸隠の水の物語を生みました…

 

豊かな植生や、動物相があり、

戸隠そば、麻糸づくり、竹細工なども、こうした大地と水の上に成立します。

 

 

水の恵みを与える象徴が「九頭龍さま」

 

隆起した戸隠山が、豊かな降水をもたらします。

 

🐕「おもしろい、じつにおもしろいぞ…」

 

 

取材のクルーも、レポーターの方も面白がってくれました…

 

レポーターさんの出身校の話も展示してあり、

「いろいろとつながって、びっくりした…」と、感心されていきました…

 

さあ、どんな番組になるでしょうか

 

放送は4月13日 土曜日  テレビ信州とのこと…

 

🐕「皆様もぜひ、ご覧ください…」

 

 

プールでは、ヤマアカガエルの合唱が、

鳥小屋からは、雄鶏4号の鳴き声が、この青空に響きました…

 

 

また、なんの偶然か、今日、テレビ信州さんからDVDが届きました…

 

昨年放送された番組のもの…

 

ナレーターは、最近なくなられた「ちび〇こちゃん」の声優の方…

 

同封された手紙の中には、収録の際に、この博物館に、

大変興味を持たれたことがつづられていました…  

 

🐕「ご冥福をお祈りします…    合掌!」

 

 

今日のところはこれぐらいで…

春を呼ぶ雨・・・

今日は朝から雨降りです。

 

 

雪は積まれてあるところ以外は、ほとんどなくなりました。

 

今日は平日ですが、春休みということもあってか、

お客さまがぽつぽつ訪れます。

 

こんな足元の悪い中、ありがとうございますm(__)m

ゆっくり館内を楽しんでいただければと思います。

 

ちなみに3日前、土曜日は、

午前中に降った雪が、午後には日差しのおかげでどんどん融けていき、

 

 

旧館の屋根の雪が落ちる音で、

春が近いことを実感することができました。

 

その土曜日の午後に、半開きだったウメの花は、

 

 

咲き進んだものの、今日はぐっしょりと濡れそぼっていました。

 

春の雨は花の雨。

春の到来を、雨と花が教えてくれます。

 

 

さて昨日、仲間と、

春一番の花を探して市街地に近い林の中を歩きました。

そこで、花以外にも面白い発見がありました。

 

 

黄色いアシナガバチの巣です。

一冬、雨や雪にさらされていたはずですが、

とてもきれいに保たれていました。

 

調べてみると、この特徴的な黄色から、

キボシアシナガバチの巣だということがすぐにわかりました。

 

「黄星足長蜂」という名前の由来は、

ハチの体の模様とする説と、

この黄色い巣のようすからとする説と、両方あるようです。

個人的には、巣のようすに一票入れたいところです。

 

横からみると、

 

巣の各部屋の出口付近だけ黄色いです。

繊細な素材の風合いが残った和紙のようにも見えます。

 

なぜ黄色くなるのだろうか、と不思議に思っていたのですが、

土台の茶色い部分は、女王バチや先に孵った働きバチがつくったもの、

一方、黄色い部分はその部屋で育った幼虫が、

さなぎになるときに、自分で出口をふさいだふた、

つまり繭の一部なのです。

作り手も、材料も違うものだった、ということがわかりました。

 

また、このアシナガバチは、攻撃性が比較的強いそうですので、

危険信号としての黄色、

巣に近寄るな、という威嚇の意味もあるのかもしれません。

 

去年の落とし物から、妄想がふくらみました。

生き物がにぎやかな季節が待ち遠しいです。