先日、近くでキジの死体が落ちているという通報があり、さっそく入手。解剖のはこびとなりました。
まだ若いオスです。現場の様子から飛んでいて家の壁に当たってしまようです。
お腹を開けてみると、食道のつけねの「そのう」という器官(食べ物を一時貯蔵するところ)がぱんぱんに膨らんでいます。中からは大粒で黒光りする立派な黒豆がごっそり出てきました。
その数37粒! 鳥のお腹に入る量とは思えないほどです。
他にもお米のモミやノイバラの実など、10種類もの植物の実が出てきました。
食道からさらに下って「さのう」(いわゆる砂肝)の分厚い筋肉の壁を開くと、砕かれた黒豆と一緒にこれまたたくさんの植物の実が出てきました。
分類すると15種類以上になりそうです。
この器官の中には小石も一緒に入っていて(写真の右下の小瓶の中)、丸飲みした実をお腹の中ですりつぶしていくわけです。
どうやらこのキジは、おいしい食べ物に目がくらんで必死についばんでいるところ、あわてて飛び立つ事態になり、そのまま壁に激突してしまったようです。
「腹八分目」
「キジも鳴かずば撃たれまい」改め「キジも食べすぎなければ当たるまい」
などと、彼の人生(鳥生?)を思い、合掌…