戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

今日も花が

今日は雨のあいにくの天気でしたが、また開花を確認することができました。
トガクシソウ(トガクシショウマ)です。

紫がかったピンク色がとても可憐な花です。
数日留守にしている間に、あっという間に咲き進んでしまいました…
芽を地面から出した時にはつぼみがほころんでいて、
咲きながら茎を伸ばすというせっかちな花です。


明治初期に戸隠で初めて発見されたので、その名に戸隠を冠していますが、
さらには、明治19年に日本人が初めて学名をつけて世界に発表した、という
日本を代表する植物でもあります。
その後、その珍しさと可憐さとで人気となり
明治の末には戸隠でも滅多に見られない希少な種類になってしまいました。
現在は信州大学付属中学や市内の南部小学校の校章に図案化されています。


写真のものは、地元のかたが大変な手間とご苦労を重ねて増やした株を譲り受けたものです。
発見されてから約130年。
その姿にいろいろな人が魅了され、思いが積み重なった花が今年も咲きました^^