戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

地名に注意

昼頃、青空がのぞきました。

この頃、雷雨が降ったり不安定な天気が続いたので、

爽やかで気持ちがよかったです!

 

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今年はつる植物、センニンソウの花つきがよく、

白がまぶしい!^^

 

昨日の個人的視察(館長とは同行していません)では、

他にも秋の花をいろいろ見ることができました。

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ナンブアザミ

南部は岩手県の南部地方のことですね。

 

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こちらのトリカブトはツクバトリカブト

茨城県の筑波です^^

 

信州は高地が多いので、比較的寒い地域に生育する

エゾ〇〇 という名前の植物は多いのですが、

それ以外もけっこうありますね。

 

北側の地名だけではない代表例がこちら

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大きなセリ科の花は ヒュウガセンキュウ

宮崎県を指す日向です。

おいしいミカンやマンゴーがなる地域の名前がついた植物が、

戸隠で普通に見られるというフシギ・・・

 

写真はないですが、ツシマママコナという

対馬の名がついた花も見られます。

発見されたときは、

その地域に固有のものと考えられていたのでしょうか。

 

しかしこれらの花にしてみれば

南国の名前がつこうが、北海道の名前がつこうが

どこ吹く風。

惑わされるのは浅はかなヒトばかり、です ^^;

 

そういえば、

戸隠の名前がついた代表的な植物トガクシソウ(トガクシショウマ)も、

長野県以外では最初に山形県で見つかったのですが、

当時そうとう話題になったようで

(なんせ、日本人が初めて学名をつけて世界に発表した

 日本を代表する植物ですから!)

なんと山形県内の、ある小学校や高校の校章にもデザインされています。

その学校に通う子どもたちは

 トガクシって何?

と思っていることでしょう^^;

地名だと認識されていない可能性もあるかな・・・

 

新種には、やたらに地名をつけないほうがいいかもしれないとも思う反面、

地名がついていることで、発見当時の物語を想像することもできますし、

コロナで旅行ができない昨今、

身近な植物からいろいろな地域を想像して、

プチ旅行気分を味わうのも面白いかもしれません・・・