戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

奥裾花で拾った石

ゴールデンウィークも最終日

午前中を中心に来館者がありましたが、静かな柵に戻りつつあります。

今日は、館にある奥裾花で拾った石を紹介します。

キラキラした黒い大きな粒がびっしり!

こんなのが奥裾花にあるなんて、かなり感激です!

この黒い粒は角閃石で、岩石名は班糲(はんれい)岩。

先日紹介した「桜御影」同様、深成岩の仲間です。

地下深くで、マグマが冷えて固まり、

角閃石の結晶が大きく成長したともの。

どうして、奥裾花にあったのでしょうか。

ここからは推測ですが、長野市最高峰の高妻山や乙妻山をつくる

マグマの中に取り込まれた捕獲岩ではないでしょうか。

160万年前、地下深くから上昇したマグマが、

深い部分にあった岩石を取り込んできたものと思われます。

石材としては「黒御影」なんて名前もあります…

長野県庁前の「信濃の国」の歌碑もこの仲間の石でできています。