昨日は個人的に休みだったのですが、
裾花川沿いのとある場所の探検に仲間と行ってきました。
2段に落ちる、かっこいい滝が見られます。
案内者曰く、先日の大雨の影響でたまっていた土砂が流れ、
歩きやすくなったそうです^^;
一段上の滝つぼです。
マイナスイオンが気持ちいい!!
滝の裏側には、お不動様も祀られていました。
さすがに水量はまだ多く、滝行をするには危険と判断。
しかし、こんな素晴らしい場所が、
市街地にほど近い場所にあったとは、驚きました。
じつはこの場所、100年以上前に地質学者、保科五無斉先生が
岩石標本の採集を行った場所です。
彼の採集日と同じ日に訪れた、ということもあり、
途中の沢沿いで石の採集を試みました。
気になる粘土層も見られました。
これらの石や地層は何を語ってくれるのでしょう?
今日の学芸員の鑑定結果は・・・
滝行の際に採った、お土産の石を見せていただきました。
全体的に白っぽい岩で、火山が噴火した時にできたもの…
(二酸化ケイ素の成分が多いので、酸性岩とも呼びます)
石英や長石、角閃石、黒雲母の結晶、軽石などが含まれています。
岩質としては、流紋岩に区別されます。
一部には、熱水変質を受けて、緑色になったものも見られました。
(緑色凝灰岩:グリーンタフと考える人もいます)
溶岩もあれば、凝灰岩もあります。
裾花川で、これらの岩が厚く堆積しています。
約700万年前の海底火山の噴出物になります。
その証拠に、海底にたまった泥岩の破片も含まれていました。
右上の黒っぽいもの2個が泥岩…
右下のものは、緑色をおびた黒っぽい凝灰岩、粘土化が進んでいました。
お皿の上のネチャネチャしたものも、その仲間です…
おそらく、水の影響を受けて、粘土化が進んだのだろう、と思っています。
これに水をかけて洗ってみました。
凝灰岩のかけらや泥岩のかけらなども含まれています。
ぐちゃぐちゃには砕けているので、断層でもまれているのかもしれません。
断層粘土と呼んでもよいかも…
海底火山の噴火で、いろいろな種類の岩石ができ、
その後の変質や断層の動きで隆起し、水のしみこみもあって、
一部では粘土化が進行…
こんなストーリーが、お土産の石から読み解くことができました。
長野盆地の西側のへりの山をつくる「裾花凝灰岩層」…
変化に富んだ地層で、地質学者が調べるには、なかなか難しい地層でもあります。
この地層は、石油を貯えていたり、
粘土化が進んだものは、松代焼の釉薬(うわぐすり)ともなった、と言われます。
ガラスや磨き砂の原料にもなっていた、との記録があります。
遠くに旅した際、長野にかえって来るとき、この白い崖が遠くからみえると、
「ああっ~ようやく長野についたなぁ」とホッとするときがあります。
なかなか、面白いものをいただきました。
今度、滝にもいってみようっと!