戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

ちょっと前の・・・

といっても
先月の中旬のはなしですが^^;


雪の降る中
溜池の調査に行ってきました。


どんな生き物がいるかの調査です。


そこで 子どもたちに生きている姿を見せたいと
思っていた生き物を捕まえられました。

ドブガイです。


かつてはいろんな溜池でみられ、
長野市立博物館の前の池にもいたという淡水二枚貝です。
大きいものは大人の手のひらよりでかいというシロモノです!


しかし、いまではなかなかお目にかかることのない
生き物になってしまいました。


その理由には農薬などの影響もありますが
農薬に負けずに生き残った子達は
オオクチバスなどの外来魚が原因で減少していると言われています。
ただし直接、貝が食べられることはまずありません。


じゃぁ どういうことかというと
淡水の二枚貝は幼生期を経て稚貝になります。
そしてその多くは幼生期に魚のエラに寄生して
栄養をもらうものが多いのです。
寄生する魚も種類によって好みがあるらしく
ドブガイはヨシノボリなどのハゼの仲間が大好きなのです。


ですが、ヨシノボリの仲間はオオクチバスにとっては絶好の獲物です;;
つまり真っ先に食べられてしまいます。
すると貝は子どもを残せないので、寿命がつきればおしまい・・・
となるのです。


そんなドブガイが長野市内にもまだ生き残っていたのです。


生きていた4個体を持ち帰り
水槽に入れ しばらくすると

潜っていきました。


中には完全に潜り込んで
口だけ出しているものも


普段はあまり動かない印象の二枚貝ですが
実は入れてからしばらくは
水槽の中をぐるぐると移動していました。
ベストポジションを探していたようです^^


最近ようやく落ち着いたようで
ほぼ同じ位置にいるようになったところです。


でも
水槽をじっとして見ていたら動きはじめるかも?
しれませんよ〜



地味な貝ですが見に来てみませんか?
博物館2F 魚を飼育している部屋で展示中です。