戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

なぜ、 

市街地から館へ向かう国道406号線。

現在、道路法面の防災工事が行われています。

いつもは横目で通り過ぎるのですが…

今日は、ちょっとじっくり見てきました。

裾花川の段丘礫層とは違うようです。

さすがに大きな崖の下だけあって、

崖から崩れたガラガラとした角礫がたまった様子がみて取れます。

地質学的には「崖錐」とよばれる局所的な堆積物です。

結構厚さがあり、ちょっとびっくりしました。

安山岩を主体にした礫層ですが、ゆるく層をなしているように見えますね。



地下水の湧き出している様子も見られます。

そこより上位は、道路をつくったときに人がいじったものでしょうか?

そういった境界が、大雨の時に、水の噴き出し口になり、

崖が崩れる原因になることがあります。

要注意です!



でも、どうしてここにたくさんの崖錐がたまっているのでしょう。

裾花川が以前にこの高さを流れていた名残(段丘面)なのでしょうか。

裾花川の浸食の歴史≒長野盆地の沈み込みの歴史≒活断層の活動の歴史 です。

こうした崖錐は、これまで地質学的には「ごみ」扱いでした。

しかし、「ごみ」なりに意味がありそうです。

何があっったのか、じっくりと考えてみたいものです。