戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

ところ変われば地質も違う!

今朝の館長視察時のこと…

 

ご近所に露頭ができていました…

 

f:id:Naturalhistory:20210307080922j:plain

 

黒土の下に、赤土が見えます。

 

もうちょっと寄ってみましょう。

 

f:id:Naturalhistory:20210307080945j:plain

 

黒土の中にも、赤土の中にも、

飯縄山に由来する安山岩の角礫がゴロゴロと入っています。

 

崩れて、流れてきたのかなぁ、

 

黒土と赤土との境は、約1万年前との経験則があります。

 

これだけ角礫が混じっているのだから、かなり不安定な感じ。

 

火山山麓扇状地性堆積物…

 

そこで思いだされるのが、中社の鳥居の基礎部分です。

 

昨日の週間長〇の一面トップ記事…

 

戸隠中学校の全生徒で、3mある赤土層を調査した話…

 

f:id:Naturalhistory:20200807130856j:plain

 

こちらも、同じような飯縄山山麓なのですが、

 

まったくといってよいほど、礫がみられません。

 

これは、安定した環境で、赤土が堆積しつづけたことを意味します。

 

すごいなぁー 何となく神社の立地がわかりました。

 

災害のない、良い場所を選んだ、ということです。

 

この中社(中院)が設立されたのは約千年前のこと…

 

昔の人々の地質をみる眼に敬服させられます。

 

自然を素直にみて、良い場所を選んだのでしょう。

 

我々もこのようにありたい、と深く思いました。