戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

災害地を歩く

先日、地すべり地を現場技術者の方の案内で見学する機会がありました。

御岳の噴火災害を始めとして、南木曽町広島市で土砂災害がおこり、

災害の多い年となっています。



身近な災害地をもういっかい見直したい、ということで芋井へ…



現在も、この地すべりは動いているようです。

一気に崩れると、崩れた土砂が裾花川を塞ぎ天然ダムになり、

長野市街地に大きな被害をもたらす可能性があります。

大雨時や融雪期は、要注意…





大きな石ころをつめた籠(蛇篭)を積んで、

地すべりを押さえているところを、まず見学。




地すべりを止めるための、水抜き井戸が掘ってあります。

空飛ぶ円盤 UFOのようにも見えます。

その周りの土砂が滑ってしまったので、こんな形に…



新しいひび割れもありました。


いったん滑り始めた土塊は、重力によって落下するので、

それを止めるには、かなりの知恵と工夫が必要です。



現場でその特性を見抜き、判断し、経済的にも有利な工法を決める仕事…

地質コンサルタントの総合的な判断力がためされます。

地球と戦う人々の大変さを垣間見たひとときでした。

案内いただき、ありがとうございました。