戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

現実をみる

ようやく桜が満開になったこともあります。

今年は開花が早いので、花が咲くのがうれしいこともあり、

このところ花便りばかりでした。


すみません、もっと現実をみないといけなかったようです。

地元の方が困っているとの話を聞いてはいたのですが…

ついつい、新年度の雑務に追われて、見逃していました。



今日は、ようやく、そこへ取材にいくことにしました。

博物館の北にいったところで、市道の崩壊が続いています。

山間地にとっては、重要な生活道路です。


昨年夏の集中豪雨で地割れが発生し、それが地すべりへと拡大中…


ここは、善光寺地震で荒倉山が崩れ、土石流が発生した現場です。

その土石流堆積物を切土や盛土をして、道路を拡幅した場所

平成7年にも、ここは土石流が流れた場所です。

もともと、崩れやすい場所として有名でした…  (・・;)



どうやって復旧するのか、思案のしどころです。

現場はブルーシートで覆われていますが、

崩落の影響で、麓の田んぼでは亀裂の入った盛り上がった地面をみることができます。



一日も早い復旧を望みます…

が、手をつけるには、難しい場所です。

当面は、雨の少ないことを祈るしかありません。


戸隠の修験者は、自然災害から土地を守る仕事もしていました。

その土地の自然をよく観察し、水の流れを読み、

土砂災害の被害を少なくするため、

また、農地を開発するために、

井戸を掘ったり、水路をつくったりする際のコンサルタント業務を行っていたようです…

「地質屋」のはしりといってもよいかもしれません。

どうにかならないかなぁ…