戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

通勤途中の崖

春になると、咲きほころぶ花に目がいってしまいがち…

しかし、地質屋は違います。

雪解け直後の崖が、見頃だということを知っているので、

ついつい、脇見をしてしまいがち…


そこで、桜や梅、杏などに人々が気を取られて、

雪の残る戸隠や、この館に注意が向かないこの時期に、

しっかりみよう!ということで、望遠鏡を担いで出かけました。


いやぁ よく見えます。

火の気たっぷり!といった形の火砕流堆積物…

飯縄山から流れくだってきたものです。

火山灰とともに溶岩の破片がゴロゴロ、

赤く酸化しているところもあり、流れ下ってきたときには、

まだ、それなりの温度があったはず…



当時の様子を思い浮かべると、ちょっと怖くなります。


そして、その後の川の侵食する量も膨大ですね。


そのちょっと上流には、新たに崩れた崖が見えます。

雪が多かったので、こうした崖ができています。

川が運んだらしい礫層が見えます。

段丘礫層ですね。



ピンク色なのは、カツラの花ですね。

崖を望遠鏡で、覗いていると「あっ あれはなに?」

黒い影が見えます。


ニホンカモシカです。

「いや〜 こんなところにいるの?」

あわててカメラを向けましたが、撮影には失敗!

残念\(◎o◎)/!



しかし、最近、イノシシやらハクビシンやら獣づいています。

過疎化の進行と獣の目撃例が比例しているのかもしれません。


館のまわりでは、「ケーン!」とキジの鳴く声が、何度も甲高く響きます。

周囲は野生動物だらけなのかもしれません。