戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

裾花川沿いを歩く…

3日の日、お休みだったこともあり、

戸隠の地質を深く知りたい、とのリクエストにお応えして、

廃道となった、裾花川の北側のルートを歩いてみました。

 

柵層・猿丸層とよばれる海に堆積した地層がよく見えます。

約400万年前から250万年前の地層です。

砂や泥、礫でできた地層や、

北アルプスが噴火した火山灰が堆積した凝灰岩などが見られます。

 

昔は、車も通っていた道なのですが、

今は使われていません。

 

淡竹も密集して生えていて、歩くのに一苦労でした。

 

若かりしころ、このコースを中学生180人と歩きました…

 

しかし、今は、災害続きで危なくて…

 

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土砂崩落防止用の柵も、こんな感じです…

 

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杉の木も真っ二つに割れて、倒れていました。

 

こりゃ、最近の出来事だね… 先日の強風のせいでしょうか?

 

しかし、砂岩の転石を割ると貝の化石がたくさん…

 

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その後、ずっと歩いたのですが、

 

一番ショッキングだったのは、いつもT1凝灰岩を観察していた場所です。

 

大きく崩れていました。

 

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左側の白い部分が、T1凝灰岩… その上の部分が大きく崩れています…

 

逆側から見ると、こんな感じです。

 

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T1凝灰岩からその上の巨礫層まで、きれいになって地層がよく見えます。

 

こんなに崩れていたのですね。

 

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この崖崩れがあって、3年ぐらい見ていなかった場所です。

 

重力エネルギーの影響下にあることを実感…

 

崖は崩れるの法則…

 

逆に、よく崩れるから崖になっているとも言えます。

 

モノをみるには、裏も表も考えないといけません。

 

久しぶりにこのコースをあるいてみて、現場の大切さを学びました…

 

実物をみないとダメだということですね…

 

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今日もおあとがよろしいようで…