戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

薬の包紙

今日は某所で、作業です。

ボランティアの方々と、土蔵の中に眠っていた様々な資料を相手にしました。

 

長年積もったホコリや、ネズミや虫の糞を払い、きれいにすることから始めます。

 

いろいろありました。

その中で、薬の包み紙がでてきたので、今日はこれを…

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東京 不忍の池近くで商いをしていた、守田治兵衛の店で扱っていた薬の包み紙。

こんな形で通信販売していたのか、ということがうかがえます。

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コレラに効く特効薬として、全国に流通していたとのこと。

 

明治15年、守田治兵衛は夫婦で、

戸隠山系の最高峰、高妻山に登った記録が残っています。

 

その際、とても苦労したので、

山小屋を立てるように大金(200円とも、300円とも)を寄付した、

という話も聞きました。

 

その時に、たてられた山小屋を「宝丹小屋」と呼びました。

その近くで、水を汲んでいた沢の名も「宝丹沢」と呼ぶそうです。

 

そんな話を聞くと、戸隠で、この包み紙が大事に保管されていたことも

納得できるような気がします。