戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

クリの花

野外ではこの時期、雨に濡れた緑に白が映えます。

ソバ、マタタビ、そしてクリの花があちこちで咲いています。

 

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(奥の白い面はソバ畑^^)

湿度が高い中、クリの花の強い香りがあいまって

もったりと重い空気が漂っています。

この香りが好きな昆虫もいるようで、

遠目にチョウやガ?が飛び交っているのもよく見ます。

 

クリの花と言えば、ひも状のものと思いますが、

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これは雄花の花序。

花粉を出しているだけです。

 

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秋に栗になるのは雌花です。

この写真だと2つ、雄花序の付け根に

いがをもった丸いものが雌花です。

見た範囲では、雄花序5に対して1ぐらいの割合で

雌花がついていました。

 

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いがはそのまま栗の実を包むいがになります。

頭につんつん出ている白いのが雌しべです。

ここで花粉をキャッチ!^^

そして大きく育って3か月後には立派な栗の実に・・・

実の頭の先にも、この雌しべが残っていることが多いですよね。

 

せっかくなので、雌面を見てみることにしました。

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栗の実は基本的に3つずつ実ります。

よく見れば、雌しべも3か所から出ているので、

ちょうど、3つの若い栗の断面をみるように切れたかと思うのですが、

どうでしょう?

 

毎年、秋に栗を拾うのも食べるのも楽しみにしていますが、

初めて栗の花をじっくり見たので、ますます親近感がわきました^^

たくさん実るといいな~♫