戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

名は体を表す・・・

去年の秋から始めた戸隠牧場の植物調査

今年も春から再開し、今日は2回目となりました。

 

前回5月下旬の調査で気になっていた植物がこれ

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大型シダ植物の芽出しです。

薄い茶色の毛をまとっていて、不思議な存在感がありました。

 

場所が牧場だっただけに、頭に浮かんだのは毛色が似ている

 ジャージー牛

記録用紙に「ジャージー?」

と書いて、大きくなるのを楽しみにしていました。

 

じつは、今日の再会を待たずに、別の場所でその正体がわかりました。

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ヤマドリゼンマイでした。

5月末の森林植物園。

葉が開く前で、茶色の毛がまだ残っていました。

中央に2、3枚の長い胞子葉を伸ばしているのですが、

それが、ヤマドリの長い尾羽に似ていることからついた名前だそうです。

 

この名前自体は知っていたのですが、

てっきり 山で採るゼンマイ のことかと思っていました。

意味を知れば、がってん!、納得の名前です。

 

 

そして今日の再会

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「尾羽」は枯れかけ、ジャージー色の毛もわかりません・・・

すっかり別人でした^^;

 

でも、本物のジャージー牛と再会できました!

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前回の5月は放牧前だったので、去年の秋以来です。

 

お昼を食べていたら、気づくと目の前に^^;

私の長靴をなめそうな勢いでした・・・

 

 

昔の人がヤマドリに見立てたヤマドリゼンマイですが、

やっぱりジャージー牛に似ている!

私の中ではこれからもジャージーと呼び続けるでしょう・・・