戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

答えのない物語

夕方 ブログを書こうとしてたら

ツバメが巣を覗きにきました

まさか・・・さすがにないだろう

 

ここではじめたらネタに困らないのに

と 少し思ったものの

その後は来なかったので

少し前にみつけたネタで^^;

 

 

実習生たちがいたときに

骨をいくつか洗ってもらいました

 

シカの骨については先日のブログでも紹介していますが

そのあとには かご罠で駆除された

ハクビシンのオス成獣も洗ってもらっています

 

その中での発見です

腕の骨で 橈骨(外側)と尺骨(内側)です

 

片方は骨折しています

しかも

尺骨の方は再生したものの

少しもろかったようで

はずれてしまいました

 

これは

交通事故か何かで 骨折し 治ったものの

完治する前に 罠に捕まって 駆除されてしまったことを物語っています

 

この子の頭骨の縫合線はすべて癒合していたので成長期を終えた成獣でした

つまり それなりの年齢には達していたものと思われます

そのため 若い頃よりは

骨折の治りも遅くなっていたのかもしれません

 

実はこの子は

他にも指の骨がおかしかったのです

しかも1か所だけ

これだけ見ると曲がっているだけに見えますが

角度を変えると2つの骨がくっついていたことがわかります

基節骨と中節骨がずれて そのまま くっついてしまったようです

かなりしっかりくっついているので

腕の骨折とはタイミングは違うかもしれません

余談ですが・・・8.5mmの骨で 老眼にはきつかった><

違った角度で見てみると

けっこう無理な形でくっついています

よくくっつけたなと思うほどです

 

4.5キロほどある大きなハクビシンだったので

経験豊富で 大きなオス だったのでしょう

 

でも 骨折してしまった・・・

 

普段ならワナにはかからなかったかもしれませんが

その時は思うようにエサを見つけられなかったのかも?

あと少しで治るぜ

そこにおいしそうな果物が!

ついつい釣られてしまったのでしょうね

 

なんてことを想像させられる骨たちでした

 

骨にすると見えてくる 妄想の世界も

骨格標本をつくる醍醐味の一つかもしれません