戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

ご縁があります

今朝は戸隠でも白くなりました。

幸いにも職員が住んでいる地区は、

通勤時にはとけてノーマルタイヤでも走ることができました。

冬がすぐそこに迫っていることを実感します・・・"(-""-)"

 

さて、そんな気配にせかされて、

休みを使って市内をぶらぶら散策しています・・・

来年の観察会の候補地も見ておかなければなりません。

 

松代地区のとある池では、まだ水草が青々と茂っていました。

周囲を歩いていたら、

 

アレチヌスビトハギの種がびっしり(>_<)!

はいていたズボンの繊維と相性がよかったのか、

とるのに一苦労しました・・・

 

市の南部、妻女山にも初めて足を運びました。

有名な川中島の合戦で、上杉方が陣を敷いたことでも知られている場所です。

現在も展望台があるので、善光寺平を一望できます。

(当時の妻女山は、さらに一段高い場所だそうですが)

この日は残念ながら飯縄、戸隠方面は雲の中でした。

 

茶臼山方面の紅葉がきれいでした^^

 

その展望台の近くに建てられている石碑の一つに目がとまりました。

東宮殿下御遊覧所」とあります。

明治35年に、皇太子だった大正天皇が来られたことを

記念して建てられたものです。

当時も、長野一押しの名所だったのですね。

 

その同じ長野ご訪問のときに、

師範学校ではトガクシソウをご覧いただきました。

そのことがきっかけで、師範学校の校章がトガクシソウになり、

信濃博物学会が設立され、長野県の植物研究が盛んになったのです。

 

来年の朝ドラ主人公のモデル、牧野富太郎博士が、

明治から大正にかけて戸隠を訪れ、植物調査をし、

ヒメアジサイの発見につながっていきます。

 

ご縁ですねー 

一人、感慨にふけりました。

 

その帰り道、川中島の史跡公園によって池の植物を軽く調査。

今日のご縁のきっかけになった、合戦の舞台であることを示す

有名な石像を、観光客に交じって見学しました。

 

近くの解説板を見ていて気が付きました。

同じく明治35年にこの場所に来られた大正天皇が、

松の木を記念に植えられていたということを。

 

しかも2本!

 

120年前に植えられた松の木が、立派に育っていました。

 

歴史には全くうとい私ですが、

遠い歴史上のかたがたとつながっている、

ということを実感する一日でした。

 

来年の企画展の無事の開催を、松の木に祈ります。。。