戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

時を超えるカツラ…

今朝の視察時です…

 

 

午前6時30分ごろ、二十六夜の月が東の空に…

 

夜のしじまがだんだんと明るくなり、

 

その後、柴犬館長と歩をすすめると、朝焼けが…

 

 

🐕「これが、戸隠の夜明けぜよ…」

 

なぜか土佐訛りが…

 

 

こちらは、昨日の夕方…

 

ちょっとした景色の中に、戸隠・高妻山がのぞいていらっしゃる…

 

 

🐕「今年の冬は、行動半径がいつもより広い…よい兆し…」

 

いつもながらに張り切る!柴犬館長です…

 

秘書も、それにつられていろいろと行動半径を広げています…

 

その広げた網に、ひっかかったもの…

 

 

🐕「お宝、ゲットだぜ!…(ちょっとふるいか?)」

 

戸隠を代表する古木の写真です…

 

裏書があります…

 

 

明治41年9月24日 撮影らしい…約108年前のもの…

 

親鸞上人の御手植えのカツラ」とあります…

 

現在、巨木として長野県天然記念物に指定されている「豊岡のカツラ」です。

 

いやいや、これは古い写真です…

 

わざわざ写真師をつれての記念写真…

 

しかも、拡大してみると若い女子学生が肩掛けカバンをしょっています。

 

🐕「これは、もしや… 遠足の記念写真では…」

 

🐕「すると、長野高等女学校のものか…」

 

さえてます!柴犬館長! 我々も同じ見解です…

 

 

🐕「わしが、心の眼で見たのじゃ…おぬしらの見解など知らぬ…」

 

この写真を撮った、写真館が市内に未だ現存することも発見しました…

 

驚きです…

 

J山小学校や、高等女学校のごひいきの写真館だったことがうかがえます…

 

この時の高等女学校の校長は、渡辺敏先生

 

戸隠山の集団登山を始めた先生でもあります…

 

保科五無斎の後援者筆頭… 

保科の作成した、長野県地学標本はこの学校の雨天体操場を占拠して

行われたそうです…

 

この上野のカツラの木を見学したグループもいたのでしょう。

 

🐕「面白いぞ…この写真…」

 

 

ちなみに、

この写真が昭和37年発行の旧戸隠村誌に掲載されていたもの…

 

この木にまつわる話はたくさんあります…

 

鎌倉時代初め、戸隠・善光寺に参拝した、親鸞上人がこの地に立ち寄り、

 

その時、使っていた杖が大きくなって、

県下有数の巨木になったというもの…

 

この物語を扱った、戸隠カルタの一枚が大胆な表現を使っています…

 

 

読み句 「カツラの木 杖をさしたら のびてきた」 というもの…

 

左手がお上人様です…

 

🐕「そして、この小さな矢印が実はタイムマシンなのじゃな…」

 

柴犬館長!  正解!

 

800年も時を超えた、大胆表現でございます…

 

戸隠豊岡カツラの木、時を超える、というお話の一節でございました…

今日もおあとがよろしいようで…