戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

何じゃ、これは!!!

当館には、いろいろなモノが持ち込まれ、

これは、何でしょう?と、相談を受けます。

 

石ころ、古い道具や書物、神社のお札?、もちろん化石らしきものも…

 

昨日も1件ありました… 

南信地方の方でした…

 

とある川で拾ったそうですが、何の化石でしょうか?

 

とのこと…

 

昨日はお休みだったので、画像が送られてきました…

 

 

これです…

 

「ひょっとしたら、これは…  何かの骨ではなかろうか?」

 

と思いました…

 

「一応、お預かりしてください… 実物を見ないと、よくわかりません…」

 

と、連絡…

 

表面の模様が海綿質に見え、クジラではなかろうか?

 

高まる期待…

 

 

🐕「画像だけで、わかるもんではなかろう???」

 

ちょっとわくわくしました… 夜も眠れません…

(これはうそ、というか、ちょっと誇張表現が含まれています…)

 

 

そして、今日…

 

実物とご対面です

 

「ややっ、こ、これは…」

 

残念なことに、材化石のようです…

 

このことをしっかりと伝えるためには…

 

水でぬらすのが一番です…

 

 

水で濡らしてやると、黒いです…

 

乾いている画像では、茶色でしたが、湿らすと黒くて炭化したものであることが…

 

判明しました…

 

 

拡大して撮影すると、ホネの海綿質とはちがって、

年輪のように見え植物の感じがします…

 

 

断面もホネの緻密質とは異なるようです…

 

🐕「残念! 秘書の目論見とは違っていたようじゃ… 未熟者…」

 

やはり、画像では判断ができません…

 

実物をよく観察しないとダメですよ… みなさま…

 

しかし、500~600万年ぐらい前の材化石であることは確認できました…

 

ぜひ、博物館で本物をみて、鑑定眼を高めましょう…

 

 

🐕「ふん、貴様もな…」

 

今日もおあとがよろしいようで…