戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

「赤」がポイント?

昨日現れた悩みのタネ・・・

アゲハチョウは、砂糖水をごくごくと美味しそうに飲んでくれて、

急場をしのぐことができました。

 

 

チョウは足の先の感覚器で味を感知している

(幼虫の食草になる植物を識別している)

と聞いたことがあったのですが、

2種類の液にそれぞれ前足で、ちょんちょんちょん と

高速で触れて、

確認しているようなしぐさがかわいらしかったです^^

 

ちなみに、赤いペットボトルのキャップに入れたのは、

アゲハチョウは赤い花が好きと言われているからです。

 

飲んでくれたのはいいのですが、

アゲハチョウが蜜をのめるような花が野外で咲くまでは

まだ当分かかりそうです。

どうしたものか、やはり悩ましいです。

 

 

さて今日は、来年度の博物館実習を希望する学生さんが

朝から下見に訪れていました。

職員が案内しているところへ合流した他県からのご家族、

中でも小学生の男の子は大の自然好きで、

石や鳥の羽などを集めているコレクターでもあるとか。

 

彼らの帰り際、プールサイドで作業をしていたボランティアさんが、

 赤い鳥の群れが木のてっぺんにとまっている!

と報告してくれました。

この時期群れている、赤い鳥と言えば

今年は数多く見られているというあれじゃないか・・・

あわてて望遠鏡を取り出し、お客さんを誘うと、

 

 

彼らは望遠レンズ付きのカメラを持参されました。

普段から持ち歩いてらっしゃるのですね。。。

 

ちなみに私は後で知ったのですが、

カメラをかまえるお二人は、

共通の趣味から知り合った、県をまたいだお友達だそうです。

 

親子でバードウオッチングとは羨ましいな、と

疑いなく思っていたので、ちょっとびっくりでした。

 

望遠鏡ごしに、スギの種を食べているイスカを見ることができました。

赤いオス、黄色っぽいメスと、なかなか鮮やかです。

 

日本野鳥の会発行「フィールドガイド 日本の野鳥」より)

 

イスカはオスの赤い羽と、硬い松ぼっくりなどから種をほじり出す、

上下でくいちがった嘴がポイントです。

 

食事をしている群れと離れて、オスが一羽、

一番高い木の上で、背中をむけてとまっていました。

 

(望遠鏡のレンズごしにスマホで撮影。学生さん提供)

 

鳥の群れにもリーダーがいるのでしょうか。

背中の赤が頼もしく見えました^^

 

プールに落ちるのでは、と家族をはらはらさせながら、

撮影に熱中していた小学生。

好きな観察を、楽しく続けてもらえたらいいな、と

勝手に期待しています。