戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

博物学者 八木貞助の残したもの

毎日、いろいろな相談が寄せられます。

 

石ころや地質の話、

 

ここで職場体験をしたい、との話…

 

碁石以外にもいろんな相談問い合わせがあります…

 

今日は、先月、長野市若槻に行った時のお話にします。

 

5月中頃、若槻へ…

 

若槻徳間の出身の地質学者 八木貞助さんのお話をしてほしい、との依頼

 

大地の生い立ちとともに、八木さんの人生をお話しました。

 

学校の教員をしながら、植物学・鉱物学・地質学を研究し、

 

名著「信濃鉱物誌」「浅間火山」「上水内郡地質誌」などをはじめ、

膨大な著作を残した博物学者です…

 

ツキヨタケの発見・命名…にも関わっています。

 

 

12歳年上の保科五無斎に、教師になりたての八木が出会い、強い影響を受け、

保科の死後に跡を継ぐように地質学研究にのめり込みます。

 

文化財調査委員として、各地の文化財をたくさん調べています…

 

地元からの依頼でもあるので、何かお話がでてこないかな?

 

と期待していたら、案の定、出てきました。

 

弥生時代の高坏です…

 

 

八木貞助さんの鑑定書つき…

 

 

徳間五ツ屋遺跡から出土したもの… 水田の深さ6尺から出土…

 

(ちょっと深いかも…)

 

 

地すべりで崩れたなかからでてきたとの記述も…

 

 

大正14年9月29日に鑑定したとのこと

 

当時、伊那の高等女学校の校長だった八木貞助氏の署名・捺印がありました

 

よく、無事に残っていたものです…

 

まだまだ、我々が知らないものが世の中に眠っています…

 

そんな出会いが楽しいですね…

 

今日のところはこの辺で…