戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

寄贈標本の整理 その壱

近頃 かつて学校などからいただいてきた

寄贈標本(特にはく製など)の整理を時間をみつけて進めています

 

というのは

これはなになにとざっくりとした同定しかしてこなかったので

いいかげん(10年以上ほったらかしてきたので)きちんとしようって感じです

 

今回は その中でわかった一例をご紹介です^^;

 

 

館にはいろんな学校からいただいた

センザンコウのはく製が 現在7体います

1F廊下の棚の中に1体

骨部屋の干支展示のケースの上に2体

骨部屋の上腕、大腿骨を展示するケースの上に2体

3F展示準備室の東側の棚に1体

3F展示準備室 黒板だなの上に1体です

 

ちなみにセンザンコウには8種類いて

アジア系の

 インドセンザンコウ

 コミミセンザンコウ

 パラワンセンザンコウ(フィリピンセンザンコウ

 マレーセンザンコウ(マライセンザンコウ

アフリカ系の

 キノボリセンザンコウ

 オオセンザンコウ

 サバンナセンザンコウ

 オナガセンザンコウ

となっています

 

キリンの首の研究で有名な方が

センザンコウの検索表をSNSに紹介してくれていて

それに従うと

 鱗と鱗の間に毛が生えていて 

 尻尾のうろこの数が20枚以下で

 尻尾の長さが40㎝以下な

7体中6体は コミミセンザンコウと同定され

 

もう1体は (3F展示準備室の黒板だなの1体ですが)

 鱗と鱗の間に毛が生えていて

 尻尾のうろこの数が20枚以上で

 耳の後ろのうろこが離れると大きくなったので

マレーセンザンコウと判明

 

みんな同じセンザンコウかと思っていたので意外でした

模式産地が台湾のコミミセンザンコウ

まぁ あり得る話だと思っていたのですが

 

東南アジアのマレーセンザンコウは少し意外でした

 

頂く際にも もっと知識が必要だなと思わされる発見でもありました

 

 

ちなみに国内にセンザンコウが見られる動物園は

現在 上野動物園だけで コミミセンザンコウのみだそうです

 

はく製でも 貴重な動物でしたので 

機会があればしっかり調べたいなと思いました

 

いつかまた その弐があるかも・・・