戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

大雨被害

前線が停滞。

全国的に大雨が降っています。

被害にあわれたかたがたへ、お見舞い申し上げます。

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鬼無里へお遣いに行きましたが、

裾花川も水かさがかなり増し、濁流になっていました。

しかし、流れの中にすむカエル、カジカガエルの声はしきりにしていました。

岸辺に避難しているのでしょう。

たくましいですね。

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玄関を横断するアリの列はまだ続いています。

現れてから、すでに一週間です。

卵をもった個体もいることから、

引っ越しをしたいようなのですが、

これだけの日数をかけないと移動しきれないほど

巣が大きかったとしたら、ちょっと怖いです(*_*;

統率がとれず、行ったり来たりしているのでしょうか

少なくとも学芸員への抗議ではなく、

雨被害による住宅難民だったようです。

早く落ち着くといいですね。

 

雨がふるこの時期、気になる存在なのがこちら

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濡れて鮮やかな色になったスナゴケに並んで

ぶよぶよになった海藻のようなもの。

プールのわきの日当たりのよくないアスファルトの上に大量にあられます。

見た目がグロテスクで、あまりいい印象がありません。

 

調べてみると、イシクラゲ という、藍藻(らんそう)のなかまだそうです。

「食べてみました」の記事もあります!

昔から、食べる文化もあったようです。

味はほとんどないとか。

先人の勇気には本当に感服します。

 

このイシクラゲ

乾燥にとても強く、90年ぐらい乾燥状態にあった標本を水につけたら、

水をすってぷるぷるになり、増殖を始めたそうです。

乾燥ワカメは水に戻しても、生き返らないので、

イシクラゲ藍藻)とワカメ(褐藻)とは 

全く違う生き物だということまではわかりました。

こうした強い生き物が、いずれ食糧難を救う救世主になるのかもしれません。

やはり今のうちに、チャレンジして克服しておいた方がいいのかな"(-""-)"

と 雨を眺めながら思いました。

 

 

 

知らなかったな~

今日もアピール糞があったようです

桑の実をたべた紫色のやつ・・・

しかも2つも

 

近くに実をつけている桑があったかな?

グミはあるけど・・・

 

ちなみに うんち のことを

丁寧に言い換えると「おさがり」というのですが

ご存知でしたか?

 

そんな おさがり のお話・・・

 

 

7月に入り 月末には夏休み

来週末には夏の企画展がはじまります

 

その準備に普段動かすことのない

常設展の標本を動かす機会がありました

 

「月のおさがり」です

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もともとはビカリヤという

熱帯マングローブ林に生息する

巻貝の化石なのですが

貝殻の中にオパールが結晶化して

貝殻は地下水の浸食を受けて溶け

オパールだけになったものです

 

この姿に昔の人は

白い光をたたえる

「月のうんち」と

呼んだそうですが

 

きれいなので神様になることとなり

うんちを「おさがり」と

言い換えることになったそうです

 

普段ケースから出すこともないので

このおさがりが

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はずれる構造だったのをはじめて知りました^^;

 

くっついたままだと

梱包気を使うな~と

思っていたので 

少しほっとしました

 

ちなみに

こちらは

本館で行われる夏の企画展

「石ころものがたり~アンダーグラウンド長野~」

で展示されますので 

オパールでできた月のおさがりを

戸隠や瑞浪までいかないでも見られるチャンス!

 

長野市立博物館までぜひ見に来てくださいね

やられた! (ー_ー)!!

今朝出勤してみると、館の玄関前になにかあります。

 

やられた…!

 

あれは、あれではありませんか…(+_+)

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なわばりを示す、テンのフン!

 

先日の運動場のホームベースの上にあったものを

告発したことに対する抗議なのかもしれません。

 

やはり、桑の実がたっぷり!含まれています。

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今日の出来事を予感させる呪い?いや暗示だったのかも…

 

その後、地元の方々と荒倉山へと史跡の調査に…

30分程度で着くと聞いていたのですが、

道なき道を上り、沢登りやがけのぼりになりました。

2時間かけて、ある場所(内緒の場所)へと登ります。

 

その場所からみた、戸隠公民館(博物館のすぐ南側)

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凄く近いのです。

麦わら帽子や手ぬぐいを思いっきり振ってみましたが、

気が付いてくれたかな?????

 

詳しい話は後日にしますので、ご期待を!

 

ちょっと、大変な冒険でした。

案内していただけたからよかったものの、

30年以上、いろんな戸隠の各地を探検してきたと自負していますが、

こんなに大変だった場所は、そうなかったと思います。

私たちでは行く気にもならない場所でした。

 

テンの神様に、試練をいただいた一日でした。

 

 

無事に生還できて何より、生きていてよかった!

 

 

この時期にしかみれない風景

7月1日 月曜日 令和元年も折り返しで、後半戦に突入!

今日は月曜日ながらも、とある用事で出勤中!

せっかくですし、ブログを更新することにしました!

 

休館日にも関わらず、

意外にも、問い合わせや行事の申し込み等の電話がたくさんかかってきます。(+_+)

世の中は、きちんと暦通りに動いているのですなぁ…

公立の博物館だからなのか、休館日と知らずにかけているのでしょう。

いつもこうなのかなぁ?

 

出勤日なので、午前7時前にいつものように柴犬館長のお供で、散歩…

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館長は毎日訪れるグラウンドのフェンスに鋭い反応を示しました! 

 

何かを発見して近づいていきます。

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おやおや、これはクモの巣ですね。

 

梅雨前線の影響で、暖かい南風で湿った空気が戸隠にも入り込んでいます。

今朝は濃霧!

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その飽和水蒸気が、クモの巣について水滴となり、とてもきれいに見せています。

朝だけしか見れない風景でした。

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閑話休題、本日の出勤の用事は、ワックス清掃…

作業の邪魔にならないよう、朝から玄関周りのものを片付けました。

 

これも、一般の来館者には、なかなか見られない風景でございます。

休館日でしかできない作業です。

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このあと、ワックスが乾いたら、元通りにしなければ (*_*;

結構、博物館の維持管理って大変なのです。

ブログ等には紹介できないことも多々あります。

各博物館や施設ごとに、維持管理には悩みもあり、工夫があると思います。

いろいろ想像してみると、楽しいかもしれません。

 

 

梅雨をのりきれ

6月が終わります。

なんと平成31年から令和元年に切り替わった本年も

半分が過ぎるのです! 早いですね==;

 

雨が多かったこの週末、前線が北上し蒸し暑くなりました。

花壇の植物たちも、これまでの遅れをとりもどすように、

どんどん成長しているようです。

 

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いんげん豆はつるを ぴーーん と伸ばして

巻き付く先を探していました。

 逆逆! 反対側を向いて!

と思わず声をかけたくなります^^;

 

初挑戦のそら豆も、立派に成長しています。

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上向きのさやからついた名前だそうで、

たしかに、大きなさやが天を仰いでいるようです。

 

上昇志向なお二方とは逆に、これから下向きになるのが

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落花生です^^ 今年は栽培2年目。

本当に花の後に茎が地面にもぐっていくのを感動して眺めました。

 

こんな特徴ある豆たちとは一線を画す 堅実な優等生!

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大豆^^

しっかりどっしり構えているようですが、

野生のときは つるだったのを、

縄文の時代から品種改良を続けて、今の姿になったとか。

醤油や味噌、納豆など加工食品でも日々お世話になっていますし、

日本人に一番身近な豆の姿は、人がつくってきた安定感の現れ?

 

じつは、今年初挑戦した豆がもう1種類あります。

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ひよこ豆です。(ひよこの姿に見えますか^^?)

こちらは中東や地中海沿岸ではかなりポピュラーと言われている豆です。

もともと乾燥地帯の豆なので、日本での栽培は難しいとか。

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プランターの中でなんとか育っています。

(水はけがいいように砂利敷きです)

この日本の梅雨をのりきってもらって、

秋の豆の展示に、花を添えてもらいたい! 

と密かなもくろみがありますが、はたして・・・

 

 

 

 

緑に白

昨日は個人的に休みだったので、

雨の合間をぬって、家の近所をお散歩しました。

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ちょうどソバの花が満開でした^^

 

雨にぬれた緑に、白が映えます。

この頃、地元産の蕎麦粉をつかうお蕎麦屋さんが増えたためか、

畑も増えたように思います。

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遠くの山々は霧の中ですが、

これはこれで雰囲気があってきれい。

 

この時期、畑のソバ以外にも、白が目をひくのがこちら。

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マタタビです!

葉っぱの一部が白くなって、とても目立っています。

以前、学校の先生に、

「あの気持ち悪いものは何?」

と聞かれたことがあります。

感じ方はそれぞれですが、確かに強烈な主張を感じます^^;

じつは、白くなった葉のかげでは、

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ちょうど花が咲いているのです。

マタタビは梅雨時期に開花するのですが、

花が濡れて傷まないように、葉のかげにかくすように咲かせます。

花が目立たない代わりに、

葉を白くして開花をアピールしていると言われています。

その相手は、受粉を助けてくれるハチやハナアブたち。

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上の写真は、雄しべと雌しべが両方ある、両性花。

雌しべの付け根が膨らんで秋にはおいしい実になります^^

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こちらは雄しべばかりの雄花。

 

株によって性が異なるので、

花粉を運んでくれる昆虫へのアピールに必死なのかもしれません。

けっこうきれいな花ですし、

その訴えを、応援しながら見守ってあげては、

と先生にもお話しました。

 

 

サイズ感

慌ただしい中

コツコツと標本作成を進めているのですが

こんなものがまもなく日の目を見る予定

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左 ムササビ(赤ちゃん)   

右 モモンガ(大人)

です

上から見てみると

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あんまり変わらないですね

ムササビ(大人)を加えてみると

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ずいぶんと大きさに違いがあったのだな~

っと実感

 

大きさといえば

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3度目の脱皮を確認しました

あまりこの子は脱皮をしないので

心配していましたが

 

現在その脱皮柄は乾燥中ですが

大きさを比べたところ

思ったほど長さに差はなく

太さや頭部の大きさに違いが出ているようです

 

そもそも45-60㎝くらいのヘビですので

脱皮がらがおよそ35㎝ 

この脱皮で大きくなった時点で

この子も立派な大人のサイズ感?