戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

展示標本の修復

 展示室4にジゴリザ(クジラのご先祖さま)の頭骨化石のレプリカを展示しています。大きくてカッコイイのですが、化石になったとき(地層に埋もれている間)にゆがんだため、上顎(上のあご)と下顎(下のあご)の関節がうまく合わさりません。これまでは何とかバランスをとって展示していたのですが、ずれて擦れたのか、アゴの関節部分が微妙に欠けていました。そこで、このカケラを修繕するとともに、もうずれて壊れないように土台を造ることにしました。
 はじめは、たいしたことないだろうと考えていたのですが、バランスをとりながらも“カッコよく”展示するのは思ったよりも難しい作業になりました。ウレタン材をカッターナイフで切ったり削ったりしながら、角度や位置を調整しました。やっとの事で、ウレタンの土台が完成したのですが、さらに大変だったのが展示ケースの中でウレタンの土台に布をかぶせながら、頭骨化石を組み立てる作業でした・・・。
 せまいケースに化石をぶつけないように、細心の注意を払いながら、でも不自然にならないように何度も何度も調整しながら組み立てました。苦労しましたが、なかなかカッコ良く仕上がったと思いませんか?

ウレタン土台作成中。

土台完成・・・

完成!