戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

夏の企画展 準備

今日は、暑い一日となりました。

長野県内は各地で30℃を越えました!

そんな中、夏の企画展の準備で、標本の借用にまわりました。

恐竜がメインとなる展示ですが、

他にも絶滅したり、その危機にある生き物を紹介するため、各種資料を展示します。


今日は、東信方面を廻りました。

佐久市からは、県内唯一の古型マンモスの臼歯(複製)を、

上田高校からは、明治時代に絶滅したニホンオオカミの頭骨(上田市天然記念物)を、

それぞれお借りしました。


その本物は、ぜひ本番の展示で見てください。



佐久市教育委員会にうかがった際、

「これもついでに見てよ」と言われ、桐の箱が出てきました。







昭和4年(1929)浅科村八幡で、井戸を掘った際に出土した、

というナウマンゾウの化石です。

右下あごの臼歯です。






ずっと、浅科中学校で保管されていたものを引き取ったとのこと…


しっかり残っていました。

実物の存在感は、すごいです。



この化石には、因縁があって、

保科五無斎の影響を受け、植物学から地質学に転向した八木貞助氏が研究したものです。

ナウマンゾウ命名者である槇山次郎氏によって鑑定がなされ、

昭和6年(1931)に八木貞助氏が地質学雑誌に紹介しました。


いや〜すごい! 歴史を感じる標本に出会いました。




夏の企画展でも、国立科学博物館からマイアサウラの実物がやってきます。

子どもたちにも、実物の存在感が伝わるとよいな、と思いました。