戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

雪の上に残された

先日休みを利用して、戸隠森林植物園にクロスカントリースキーに行ってきました。この時期は1〜2mの積雪があり、低木やササが雪で隠れてしまうので、とても歩きやすく、森の中に自由に入れるので、普段とは違った森の雰囲気を味わえます。寒さに負けずに餌を探しまわる小鳥やテンにも出会うことができました。
ずんずん歩いているうちに、大きなミズナラの木の周りにたくさん足跡があるのを見つけました。どうやらサルの群れのようです。

写真では見にくいですが、サルの足跡は後ろ足が人間のもののように細長いので、区別がつきます。
こんな雪の中、何を食べているのかと思ったら、木の下にヤドリギの枝がばらばら落ちていました。

ミズナラについていたヤドリギの甘い実を食べていたのでしょうか?
さらに行くと、体を雪にうずもらせながらラッセルしつつ移動している動物の足跡を見つけました。

足跡と雪に沈んでいる様子から、イノシシではないかと推測しました。
(両脇のまっすぐ伸びている跡はスキー板のものです)
イノシシは雪深い地域では生息できないとされていましたが、ここ5年ぐらいの間に戸隠でも頻繁に見るようになった動物です。この足跡が本当にイノシシだとしたら、雪のつもった森林植物園の中を、雪をかきわけて動き回っていることになります。
はたして本当にそんなタフなイノシシがいるのか? 迷い込んだだけなのか? それとも別の動物なのか? 皆さんはどう思われますか?