戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

生と死と

今日はテンの交通事故死体がもち込まれました。

夏毛でオレンジがかった黄色のきれいなテンです。手足の黒とのコントラストもはっきりしています。さらに外傷がないので、まじまじ観察してしまいました。
すると、のどもとにつやつやのグレーの玉がついていることに気付きました。

黒真珠でおしゃれをしているわけでもなし… 
なんとダニです。テンの血を吸って、パンパンに膨らんでいます。
宿主が死んでいるのに気付いているのかどうか。つつくと脚を動かしていました。


ここで悲しいお知らせがあります。
2日にご紹介したホオジロのひなですが、昨日、巣が空っぽになっていることが判明しました。
やられた…
がっかりしていると、すぐ上の茂みで動くものがあります。

何者かと、やぶをかきわけると大きなヘビの体が見えました。
おそらくこのヘビが食べてしまったのでしょう。
しかも、ちょうど2匹のヘビがからみあっていたので、交尾するところだったようです。
ヒナは新しい命の栄養になってしまったともいえます。

生と死の、その生き物のドラマを垣間見ました。