戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

ぶら下がるタネ

本格的な秋到来。先日、ツバメが何羽も館の周りを飛んでいるところを見かけましたが、集合して渡りを始めるところだったのでしょう。夏鳥は南に渡り、逆に北から冬鳥がやってくる季節です。
林の中では、さっそくツグミが群れているのを目撃しました。
双眼鏡でのぞくと、赤い実をついばんでいるようです。
その木の下には、たくさん実が落ちていました。
コブシです。

春に木全体に白い花を咲かせ、春の到来を告げる木です。今は長旅をしてきた鳥たちの餌になっています。
赤く見えていたのは房からはみ出たタネで、房ごと落ちてしまったものもあります。
このタネを房から引っ張るとあら不思議。タネから白い糸が伸びて、房にぶら下がります。上手に伸ばせば、3cm以上伸びます。
ぶらぶらすることで、鳥へのアピール?
鳥がついばみそこねても、ぶら下がって下に落ちないように?
不思議なタネと鳥との関係を解き明かすには、もっと観察しないといけないようです。