戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

運ぶのはだれ?

先日採集してきたマムシグサ

地下茎も大きいですが、だんぜん目立つのが赤い実です。

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大きさもまちまちな実が、びっしり^^

つやつやしていて、いかにも鳥をさそっている感じです。

食べてもらって中のタネを糞にして離れたところに出してもらう。。。

だから実には少なくとも鳥にきくような毒はないはずです。

 

こちらも動物に食べてもらいたいはずの実。

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着生植物のヤシャビシャク。スグリの仲間です。

ごつい毛だらけで、あまりおいしそうではありません^^;

 

スギの大木の枝についていたもので、

その枝ごと博物館にやってきてはや丸2年。

今年は花も咲きました。

 

https://naturalhistory.hatenadiary.jp/entry/2019/04/23/172457

 

そして順調に実をつけ、そのまま冬に。

秋には少しは色づくのかと思ったら、見た目は変わらず、

少し柔らかくなった程度。

そろそろ回収して、来年の種まきにそなえたいと思います。

 

樹上生活をする植物なので、野生状態では、

実が地面に落ちてしまってはだめなはずです。

ヤドリギのように鳥に食べられて木から木へ散布されるのを

イメージしていたのですが、見た目が地味すぎる気がします・・・

 

もしかしたら、リスやネズミのような貯食する動物に運ばれて、

木のうろなどに蓄えられ、忘れられた実から発芽するのかも

しれません。

小さい実なので、樹上性のネズミが怪しいかな・・・?

 

今年3つ実ったし、毒はないはずなので、

こっそり味見をしてみたいと思います。

味で種子散布動物がわかることを期待して・・・^^