戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

フシギな出会い

朝から静かに雪が降っていたのですが、そんな中、ちょっとしたハプニングがありました。
外で激しい羽音がするので見ると、窓にシジュウカラという小鳥がお腹をみせて羽ばたいていました。
軒下の壁に付いた白いふわふわした綿のようなものをくわえると、すぐに近くの車の下に隠れてしまいました。
そして何度か綿をほぐし、中をついばんだような行動をして、飛び立っていきました。

その綿を拾ってみると、中から小さなクモが3匹出てきました。

どうやら白い綿は小さなクモの越冬用の巣のようです。
雪が降って餌に困ったシジュウカラが、クモの巣に目をつけて、中の仔グモを襲ったのでしょう。
自然界の厳しさを目の当たりにさせる出来事でした。

さて先日2日にご紹介した、モズの胃の中から出てきた小骨を、骨組みが得意な職員さんに鑑定してもらいました。
その結果、多くがカエルの骨なのですが、哺乳類のものも混ざっていることがわかりました。

写真はその首の骨(頚椎)らしきもの。大きさからヒミズや小型のネズミではないかとのことです。
博物館の前で死んだばかりに、お腹の中のものが、ここまで詳しく調べられてしまうとは。

食べるもの、食べられるもの、死んでしまうもの、そしてそれらを調べるもの。
今日は小さな命とのいろいろなかたちの出会いがあり、フシギな一日でした。