戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

蜂の巣

台風が近づいているので、生温かい風が強くなってきました。
かなり雨脚が強くなっているところもすでにあるようです。
どうぞお気をつけくださいね。


さて、今日はお隣の鬼無里(きなさ)へお遣いに出かけました。
夏の様子などをうかがっていると、面白いものが見れるよ、と事務室に案内して下さいました。
窓からすぐの木の茂みの中に、直径20cmくらいの丸いスズメバチの巣があります。

鬼無里では「トックリバチ」と呼ぶハチの仲間だとかで、巣の大きさもこれ以上にはならない、比較的珍しい種類だそうです。
特徴から見てコガタスズメバチでしょうか。
それにしても、窓には編戸があるので、なかなかいい観察スポットです。
もちろん建物の外にいるお客さんにも危なくない場所です。


さらにもう一つ見せて頂いたのは、アシナガバチの巣。

普通アシナガバチの巣というと丸い傘型のものを思い浮かべますが、こちらはいびつで、前の方に伸びています。
アシナガバチという種類のようです。
ハチの気性がわりあいおだやかで、人を襲ったりしないのでそのままにしているとか。
「無駄な殺生をしてはだめだよ。このハチだってここで生きているんだから」
と穏やかに話されるのが印象的でした。


こんな風にどこに巣があるかわかっている場合はいいのですが、山歩きをしていてうっかり近づいてしまうと危険な場合があります。
さらに、秋は巣が大きくなり、新しい女王蜂を守るために攻撃的になることも。
こちらも無駄に痛い思いをしなくていいよう、気をつけましょうね。