戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

奥社の杜にて

戸隠神社の奥社の参道沿いで、調査をしてきました。
休日と言うこともあって、たくさんの人出です。

紅葉もすっかり終わって山は雪景色だというのに、
ここ数年のパワースポットブームの勢いは、まだ衰えることを知りません…

さて、観光客はめったに行かない杜の奥に、大きなブナの木を発見。
しかもその木にはたくさんのクマ棚が!

(「クマ棚」はクマが木の実を食べる為に枝を折ってしまった跡です。落葉する前に折るので、しおれた葉が枝に残ります)
この木の上でおいしそうにブナの実を食べていたクマの姿が目に浮かぶようです。
枝の細いところまで行っているようだけど、落ちたりしなかったかしら…
思わずそんな心配も^^

さらにその木を間近に見ると、幹に無数のクマの爪跡があることに気付きました。

「うわぁ〜! すごいっ!!」 感嘆詞が止まりません!!
(黒くなっている古い傷跡は去年以前の爪跡です)
同じクマが何度も登り下りしたのか、それとも違うクマが登ったのか??
(その場合はまさに「クマのなる木」状態!!??^^;)

姿を見なくてもクマの存在をありありと感じさせてくれる木との出会いでした。
(ちなみにこのクマさんは、餌がなくなったこの杜を離れてすでに眠りについていると思われますので、ご心配なく)