戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

元年スタート!

このところのパワースポットブームもあり、

参拝客が増加している戸隠神社

それとは裏腹に、

奥社の杉並木のスギの樹勢は

おとろえていることが心配されています。

 

県の天然記念物にも指定されている奥社の社叢。

杉並木や周囲の社叢林を守り、

上手な観光利用をしつつ、未来へ引き継ごうと、

関係者・有識者が集まり、委員会が開催されることになりました。

3年間かけて話し合いが行われる、

今年は記念すべきスタートの年です!

 

当館からも職員が参加しています。

昨日今日と準備会で、

これまでの調査や現状の報告会などがありました。

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テレビや新聞の取材が入り、にぎやかでした。

今晩、放送されることでしょう。

戸隠のシンボル、奥社の杜(もり)が活かされるよう、

職員も頑張りますので、

みなさんも注目していただればうれしいです。

 

今日の目玉は、参道沿いのスギの根の部分を掘ったことです。

道も含めて天然記念物なので、特別な許可をとっています。

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じつは、去年の7月も一度掘っていて、

かちかちに固まってしまった砂利の下、

スギの根が枯れてしまっていることが確認されています。

その際、枯れた部分を取り除き、改良土を入れて

踏圧防止のクッション素材を敷いて砂利をもどしました。

約1年後の今日、もう一度掘ってみたところ、

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樹木医の先生が指しているところ、

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細かい根が生えてきていることがわかりました!!

 すごい! 木は生きている^^!

とみなさんで感動を共有しました。

 

実りある委員会のスタートをきることができました。

これから3年間、奥社の杜のために何ができるか、

みなさんと協力しながら進めていきたいと思います。