戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

感想

この博物館が3年前にリニューアルしたときに、建物の設計などでお世話になったのが、丹青社という業界では大手の会社。
先日、その社員のHさんが当館を訪れました。
彼女は全国を飛び回り、さまざまな博物館関連の事業を手掛ける非常にお忙しいかたで、自称「移動カメラマン」。
お土産にいただいた写真には、飛行機から撮影した富士山や北アルプスの尾根が映し出されていました。

さて、そんな彼女に当館を見ていただいた感想をいただきましたので、今日はそれをご紹介します。
職員にとってはこれから新年を迎え、新しい気持ちで仕事をする、いい贈り物をいただきました。
ありがとうございました^^

★★以下感想文です★★
戸隠地質化石館は、かつて子供たちの学び舎であった小学校という装置に、ミドルヤードという新しい発想を取り入れ再生した、魅力的な展示施設です。
背景となる小学校の設備は、子供目線、子供スケールで作られていることから、来館者も知らず知らず子供時代に戻って展示を楽しむことができるようです。
子供時代の?と!、そういった素直な知的好奇心を呼び覚ますのにはぴったりの場所です。
また、研究者と作り手が呼応しながら創りだした展示には、必要最小限の情報しか表されていません。
?と思った事は、全て学芸員の先生方との対話で!に変わります。
読んで終わりのグラフィックによる解説に比べ、何と贅沢な体験をすることができるのでしょうか。
知らないで見れば単なる石ころ。でもそこに隠された学問の深淵さを垣間みることができれば、学ぶことの楽しさは無限に広がります。
情報化が進展し、バーチャルとリアルとの境目すら無くなりつつある今日このごろだからこそ、博物館という場所に人を集めることの意味が問われていると思います。
しかし、この化石館に来れば、歴史的背景を持つ本物の学びの場で、古代の地球を表すさまざまな実物資料を間近に感じながら、学芸員の方々の楽しい!なお話を伺うことができます。地球の歴史への扉を開けに、どうぞ戸隠にいらして、体験して下さい。