戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

高原に夏を求めて

お盆を過ぎると9月は目の前。
秋を近くに感じてしまいます。
(なんと戸隠小学校は明日から2学期開始! はやっ!!)
「夏なんて暑いだけ、早く終わればいい!」というかたも多いでしょうが、
夏好きの私にとっては、焦る事態です^^;
一月前から休みのたびに天気が悪かったり、車の調子が悪かったりと、
なかなか夏の自然を楽しめずにいたものですから…


そんなわけで、昨日の休みは久々に、戸隠スキー場へ足を運びました。
ここはススキの草原の中にたくさんの草花が咲く、私のお気に入りの観察スポットです。
草花の写真をとっていると、そこにブンブン飛び回っているハナバチを発見。
ラッパ型のギボウシの花に、もぐり込んでは飛び出て、を目まぐるしく繰り返していました。

ちょうど、裂けている花を訪れているところを写真にとることができました。
長いストロー状の舌を伸ばして、花の奥に隠された蜜を飲んでいるようです。


ツリフネソウでも同じハチの仲間(トラマルハナバチと言います)がもぐり込んでは蜜を吸っていました。
その動作がかわいらしい! と思ってしまう私は、頭の中にも虫が飛んでいそうだと、家族によく言われます…
でも!
花の形に合わせて器用にもぐり込んだり、舌を伸ばしたり、花粉を集めたりと、誰に教わるわけでもないのに上手に仕事をこなしている姿に、「自然の妙」と言いますか、不思議さを感じずにはいられないのです。


さらに、私てきに自慢の一枚をご紹介。

フシグロセンノウ(ナデシコの仲間)にとまって蜜をのむキアゲハです。
この日本の自然にあまりないオレンジ色の目立つ花。アゲハチョウが好む色だと言われています。
好みの色で誘いだし、その長い舌でなければ届かない、細長い管の奥に蜜を隠している、まさしくアゲハチョウ用の特注の色・形をしている、見本のような花。
そこに本当にアゲハチョウが来ているところを写真に撮ることができたのですから、こんなうれしいことはありません^^


こんな風に、いろいろな自然の楽しみ方があるということで、勝手な私の自慢話におつき合いいただいた皆さん、ありがとうございました<(_ _)>