朝、博物館の玄関前に葉っぱに包まれて、そっと置かれていたのは
丈が30cmほどもある真っ白な・・・???
採ったおじさんにお話をうかがうと、
「キノコかと思うんだけど、あんまりきれいだから何かな、と思って」とのこと。
秋の声をきき、キノコを求めて山に入る機会が増えるこの頃、
地面からにょっきり生えているものに思わず目がいってしまうのは道理。
でも、これもキノコではありませんでした^^;
ギンリョウソウモドキです。
(梅雨時に見られるギンリョウソウ:銀竜草と近い種類で秋に顔を出します)
「腐生植物」と言われる仲間で、キノコなどの菌類から栄養をもらって生活をしているという、これまた変わった植物です。ある意味、前のミヤマツチトリモチよりキノコに近いかも??
こりずに切って断面をみてみることに。
頭のふくらんだ部分が大きな一つの花で、花粉を出す雄しべと、真ん中の大きな雌しべがみえました。ミヤマツチトリモチより花の構造がしっかりあります。
さらに花びらをとってみると、
付け根にきらりと光るのは花の蜜。なめるとほんのり甘かったです^^
この真っ白な花は薄暗い林の中でも目立つので、大型のハナバチの仲間が好んで訪れるそうです。
これもキノコとりの産物。変わったものが見つかりますね。
皆さんも、「食べられないもの」と一まとめにしてしまう前に、「これは何だ?」と思ったら博物館へご一報ください。楽しい出会いになるかもしれませんよ^^
ちなみに、ミヤマツチトリモチは、地下にある芋状の塊を臼でひいて粘りをだして、とりもちを作ることからついた名前だそうです。
自然を資源としてとことん使う、昔の人の知恵は驚くことばかりです・・・