戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

白い花

梅雨時、緑が濃くなると、白い花が目立ちます。

 

マタタビの白い葉もしかり。

その陰で、白い花がたくさん咲いていました。

雌雄別株で、こちらは雄しべしかないお花

 

こちらは真ん中に雌しべの束があり、黄色い雄しべが囲んでいます。

両性花です。

 

単純に雄と雌とではないというのがまた面白い^^

植物の世界は性のありかたがいろいろです。

 

満開の夏ソバ。

 

じつはそばの花も面白い性表現をします。

3本の白い雌しべ(花柱)が長く、雄しべが短い「長花柱花」

 

逆に、雌しべが短く、雄しべが長くのびている「短花柱花」

 

花は株ごとにどちらかのタイプに分かれていて、その比率は1対1

ほぼ半数ずつです。

 

そして、お互い別のタイプから花粉をもらわないと、実ができません。

 

別性だけど、それぞれ子どもができる・・・ということになります。

 

実を付けるには必ずハチやハナアブに花粉を運んでもらう必要があるのです。

確実に他の株から花粉をもらうためにそう進化したと言われています。

 

一方、池では白い粒々が漂っていましたが・・・

 

 

水草、コカナダモの花と花粉でした。

なんと、水中の本体から花が切り離されて

水上で開花、花粉をばらまきます。

 

その花粉の行先は、雌花の雌しべのはずですが、

外来種、コカナダモは、国内では雄株しか見つかっていないそうです。

出された花粉の立場はいったい・・・;;

 

でも、切れ藻で迷惑なほど増えているのだから、

全く問題ないのかもしれません。

これ以上増えても困りますし。

 

最近見つけた白い花を、いろいろご紹介してみました。

本日は、こんなところで失礼します。