戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

自然の造形の妙

GWも終わり静かな博物館が戻ってきました^^;


昨日とは違い少し寒い戸隠でしたが
石の鑑定にこられた方がいました。


40年ほど前に黒姫にて親子で拾った石だとか
不思議な形をしていてお庭ではコケをはやしていい味を出していたそうですが

あるときひっくり返すと

なにかの動物の頭の骨のような!と思ったそうです。


たしかにそんな感じもします。


ですが
これは自然の造形の妙でした。


石自体は凝灰角礫岩でできていました。


なのでおそらく海底火山が噴火したときにできたもので
その岩ができるときに水などを閉じ込めたのでしょう。
そしてそこで瑪瑙(メノウ)などが形成され
長い時間をかけて山となり
一部が岩として 崖から落ち
雨風にさらされて風化し
軟らかい瑪瑙の部分が抜け落ちた結果
こんな形になったようです。



その証拠にまだ瑪瑙がいろんなところに見られました。

こうした石たちの生い立ちを想像するのも
意外と楽しいものです。


ときにはみなさんも石ころを拾って
石の生い立ちを想像してみませんか?


石に話しかけたりするのを見られたりすると
怪しい目で見られるかもしれませんので
自己責任で^^;