戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

いただきもの

某小学校から少々いただきものをしました。

剥製がほとんどでしたが
中には植物標本もいただき
大正から昭和のはじめ頃のもののようでした。
(くわしくは後日整理を兼ねて確認します。)


例によって植物標本は新聞紙に挟まれていて
見られたものは昭和8年のものでした。


「学校新聞」というもので男の子向けのもののようで

海軍への入隊をすすめるもののようでした



植物標本を挟んでいたので「マメ科」のいう記載も


ちなみに
女の子向けには少女新聞というものがあり
内容は農業系でした


昭和8年というと
ドイツではヒットラーが首相となり
日本は国連を脱退し
いよいよという感じです。


その関係もあってか
ドイツとの交流が盛んな時期のようで
ハーゲンベックサーカス団が来日して各地で講演しつつ
動物を売り歩いていたようです。


この新聞にもそれに近いことが書かれていて

(左上の記事)
日本とドイツで動物との交換をしたようです。
日本からは
ニホンザル、タンチョウヅル、コウノトリ、シロクジャク、オットセイなどを
ドイツからは・・・

受け取ったものが破れていてわかりませんでした。
(調べるとキリンやチーターなどを購入しているようです。違うものかもしれませんが・・・)


そして
この年は三陸地震が発生し大きな被害を出した年でもありました。


戸隠ではNHK長野放送局で野鳥の声のラジオ放送が始まった年。


また登山ブームがあり、女性が登山をはじめ最初の山ガールが誕生したり
冒険ダン吉ビスコが誕生し
ネッシーの存在がささやかれたのもこの頃だとか・・・


少し調べてみると
頂いてきた小学校はこの標本の作られたころにできた小学校のようです
この標本はその当時を知る大事な標本となりそうです。


学校では保管できないものでも
博物館で譲り受ける事でしっかりと保管できますので
学校関係者の方で捨てちゃうものがあったらお声がけくださいね。