戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

干支展示

今年も玄関近くに干支にかかわる展示をしています。
あくまで「羊」の字つながりですので、ご容赦ください!!


(↑実際は扉がありますが)



下の段は当館自慢の骨コレクションから。


羊の仲間たちということで、隣にはヤギとアルパカも。
ヤギは「山羊」で実際に羊と近縁です。
アルパカは毛並みは羊のようですが、
「羊駱駝」と書くように、ラクダの仲間なんです。
どこが違うのか、じっくり観察してみてくださいね。



さて上の段は「羊」にちなんだ植物「羊歯(シダ)」です。
タイミングよく、ボランティアさんのコレクションにありました。



その由来については諸説あるようです。

その1。ずばり羊の歯にシダの葉っぱの形が似ているから。

こんな羊の歯に、、、

はたして似ているのでしょうか?



写真はお正月飾りにも使う縁起物「ウラジロ」です。


その2。「歯」ではなく、羊の角の巻いているようすに、シダの葉が似ているから。
    (ワラビやゼンマイの芽だしの感じ!?)


その3。もう一つのシダの漢字「歯朶」にあるように、
    垂れ下がっている葉っぱという意味から
   (「葉」も「歯」も「はじ」にあるもので、もとの由来は一緒という説も)
  「羊歯」の字よりも「歯朶」のほうが古くから使われていたらしいです。



その4。葉が枝垂れているので『しだ』の音をあてた
   →ウラジロのようにつやつやした常緑のシダに
長寿の縁起をかついで「齢垂」の字に。
   →「齢」を略して音読みも共通する「歯」に変換・・・


その3.と4.では羊まではたどりつかないけど・・・^^;
「羊」の字がシダの葉の形に似ているとか、
ヨーロッパの伝説では、羊を地中から生み出すシダが
東の未開の地にあると信じられていた、とか、
羊とシダには少なからず縁があるようです。



なかなか決着はつかないようですね。
あしからずm(_ _)m、です。