戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

地質図に感動!

昨年、とある学校から回収した資料の中に、1本の紙筒があります。


中からでてきたものは、これ。

信濃中部地質図 (縮尺12万分の1)です。


1930(昭和5)年に発行された名著「信濃中部地質誌」の付録です。


保存状態が素晴らしいです(ほとんど使っていないのでしょう)。


断面図も残っています。


これまでに、1回だけ地質図をみたことがありましたが、

カラー刷りの断面図は初めてみました。新たな感動です。


この図の原図をつくったのは、丸子出身の教員「小山 進」氏

10数年もの月日をかけて、まとめたものです。

京都帝国大学の本間不二男氏との連名で発表しています。



南は諏訪の守屋山から北は「柵」まで調査しています。

そう、当館のある場所です。


北部フォッサマグナ地域の新第三紀層の詳細が明らかになり、

「柵層」という地層名が命名された地質図です。



とても美しく、この図をきちんと読むと長野県の大地の生い立ちがわかります。

多くの人に見てもらいたいなぁ…と考えております。



この図を作ったスタッフの名前も記されています。

手仕事で、これをつくっていくのですから、大変な苦労があったはずです。

誇りをもって仕事をされていたのでしょう。




昨年、発行の「長野県デジタル地質図2015」も素晴らしい出来栄えで、

地質図を立体地図の上で見ることもできます。



こちらも、ごひいきの程、よろしくお願い申し上げます.