昨晩、大きな地震がありました。
長くゆらゆらと揺れ、遠方の地震ではないかと感じました…
被害がでているようです。
被災された地域の方にお見舞い申し上げます。
3月11日の東日本大震災のふりかえりの報道がなされていたので、
いろいろと感じる部分があります…
11年前の震源と近い場所での発生です、
今回は、もうちょっと深い場所が震源だったようです。
現在、企画展の準備中ですので、
昔の教科書の中で、「地震」がどんな風に取り扱われていたのかを
調べてみました。
最初は、明治26年のもの…
「小学理科新書 甲種 巻之三」の挿絵です
建物の倒壊、
そして、おそらくは葛飾北斎の影響を受けたであろう波の絵があります。
その記述は、こんな漢文調です。
震源に近いところから、大地が波のように揺れ、被害を与えること、
日本が地震大国であることを紹介しています。
こちらは、「海嘯」の説明です、 甚だ恐ろしいものだ、と紹介
味わい深いというか、あまり説明になっていないような…
次いで、昭和五年版の高等理科学習帳 第2学年 より
昭和2年3月7日に発生した、丹後地震の地震断層のスケッチです。
左横ずれの郷村断層(長さ18㎞)の変異を示します。
横ずれ変位が270㎝、垂直方向の変異が80㎝との記録が残っています。
なかなか興味深いスケッチですね。
この学習帳には、カラー刷りの長野県地質図が掲載されています。
さすが、信濃教育会編の冊子、保科五無斎の遺伝子が残されていました…
感慨深いものがあります。
そして、昭和34年版 理科 六年下 (信濃教育会編)より
そして、日本が地震大国であることを示す図も…
地震の発生した場所を黒丸で示しています。
関東から北海道にかけての太平洋岸で多発することを理解させたかったのでしょう。
地震の被害を表現した挿絵もあります…
なかなかの表現力です…
地震の多い日本で暮らすためには、
過去の教訓をいかしていくしかないのでしょう。
地震をなくすことはできませんが、
ヒトの思いで被害を少なくすることはできます。
減災を考えていきたい、と願っています。