戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

ところ変われば

今年の干支は亥 イノシシですね。

現在、戸隠をはじめ山間地では、

イノシシは田畑を荒らす害獣

最近増えているシカも深刻な問題になってきています。

 

しかし!

年末の帰省で寄り道した奈良(高校の修学旅行以来!)では、

シカは神の遣い、神獣です。

f:id:Naturalhistory:20181230105610j:plain

春日大社のシカ)

 

f:id:Naturalhistory:20181230112843j:plain

(後ろは野焼きが行われる春日山

 

現在は観光にもとっても貢献しています!

外国人観光客にもモテモテでした^^

 

f:id:Naturalhistory:20181229121317j:plain

 

県庁の目の前、幹線道路がすぐ近くを通る場所に、

放し飼い(?)のシカがこんなにたくさんいて、

トラブルはないのだろうか・・・

と心配していたところ、

古くからあるという高札場に、

シカに対する「おきて書」を発見しました。

f:id:Naturalhistory:20181230083632j:plain

 

車や犬からシカの身(「鹿身」!)を守るよう、

いたわる注意書きがある一方で、

大和国の顔」であることを自覚して、

人に愛されるよう諭す言葉も(しかもかなり語気が強い^^;)

 

観光地で、鹿せんべいをもらって生きている身としては、

確かに必要な心得かもしれないですね・・・

 

ところで、気になっていたのはシカと車との接触

交通事故の場合です。

ちょっとネットで調べると、

奈良公園のシカは国の天然記念物なので、

故意に傷つけると文化財保護法違反になるそうです。

避けられない事故の場合はもちろん適用にはなりません。

一方、車への補償はないようです。

 

全国的に見れば、シカと人との関わりの、特異な例ですかね^^