戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

千曲川沿いで

植物観察会が行われました。

テーマは「氾濫原の植物」

去年の台風による出水で泥をかぶった千曲川沿いの運動場に

今年、どんな植物がはえてきているのか、その確認です。

 

6、7月と個人的には見に来ていたのですが、

そのときはまだ背丈の低い、スカシタゴボウやマメグンバイナズナなど

田んぼの雑草や荒れ地に生える外来植物がほとんどでした。

 

そして暑い夏を超えて 今回みてみると

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一面、オオイヌタデやオオブタクサの群落になっていました。

 

オオイヌタデは池の周りなど、湿った場所が好きな植物です。

もともと野球などができるグランドだったそうですが、

見る影もないです。

 

 

 

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その周囲は草丈3m以上のオオブタクサや

つるで覆うアレチウリ、ツルマメのジャングルでした。

 

そんな中でも、正統派氾濫原植物(?)

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ヌマガヤツリがインパクト大でした!

いいものを見させてもらいました^^

 

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観察会の最後はアメリネナシカズラがトリを飾ってくれました。

葉緑素をもたない つる性の寄生植物です。

この個体はヨモギに絡みついていますが、

くっついたところから直接栄養をうばっています。

そしてちょうど花を咲かせているところでした。

独特の質感の黄色いつるは、

インスタントラーメンの麺 とよく例えられる

変わった植物です。

 

今回は植物のたくましさを実感する観察会となりました。

グランド自体は今後整備されていくことになると思いますが、

周りも含めてどんなふうに植生が変化していくのか、

気を付けてみていきたいと思います。

 

おまけ

帰り道、公園の一角や畑脇で、ヒガンバナが咲いていました。

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ちょっと時期が遅いように思います。

今年の異常気象の影響でしょうか?