戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

萩野城探訪

自然観察教室の一環として、11月は博物館周辺の山城をめぐっています。

 

落葉して、道も歩きやすく、眺めもよいのでこの時期を選んでいます。

今日は、晴天で暖かく、天気を気にせず楽しめました。

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今回、白羽の矢を立てたのは、「萩野城」

七二会と中条地区の境に位置する山城です。

 

標高1176m えっ、なぜこんな高所に…

 

陣場平山にある地蔵峠(標高1160m)からスタート…

 

アップダウンのある山道で、枯葉を踏みしめながら

20分ほどあるくと、城跡です。

 

西峰の主郭からは、一気に展望が開けます。

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虫倉山を中心に、槍ヶ岳から鹿島鑓、五龍、白馬など

 

北アルプスが一望。  槍ヶ岳もみえます。

 

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東側の峰に登ると、川中島や松代一帯が見えます。

こちらは、少々もやがかかっていました… 残念…

 

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川中島の戦いに関連していることは、あきらかです。

 

この一帯を支配した春日氏の城という話も伝わっています。

 

また、中条の「臥雲院縁起」にもその名が見え、

「やぐら峰」とも呼ばれたそうです。

 

しっかりと手入れがされており、

みなさんにもおすすめできる山城跡の一つ

 

眺めがよく、要害堅固といった感じです。

 

 

 

地質学的には、

 

犀川が形成した北アルプスから続く大規模扇状地(大峰面)から

 

硬い地層(凝灰角礫岩層)が削りのこされた残丘です。

 

この山城のすごさは、それを見抜いて築かれたこと…

 

さぞや智恵のある軍師がいたと考えています。

 

 

 

 

 

信州のすごさは、大地がつくる自然の物語と、

 

それに気が付いた人々がうまく利用してきた智恵がミックスしている点です。

 

 

小春びよりの山城探検で、そんなことを考えていました。

 

 

お昼を食べた場所からも、戸隠の大地がよく見えました。

 

戸隠のすごさも、その点のすごさにつきますね。

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これは、柴犬館長から毎朝の視察で教えられていることです。

「館長、ありがとうございます。」

 

🐕「わかれば、よし…秘書もちょびっと成長したようじゃな…」

 

 

そんな中、一つの事件が発生…

 

山城探訪に出発して約3分後、

 

ツキノワグマの糞を踏んでしまいました。

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枯葉の下に罠として、仕掛けられていました。

 

カキを食べて、いたしたようです。カキの種も確認…

 

七二会で、カキを食い、ここまで登ってきて、仕掛けたようです。

 

登山道の真ん中に… これはひどい、悪意のかたまりです。

 

「こりゃあ ( ゚Д゚) しまった…」

 

🐕「この未熟者、クマの罠に落ちるとは…

 

   ちっとも成長しとらんな、あほう…」

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今日もおあとがよろしいようで…