戸隠地質化石博物館の日記

博物館周辺での日々のできごとを、地質、植物、動物などの各担当者が書いていく日記です。

流れの果て…?

団体でお見えになったお客様の忘れ物を見つけました…

 

先日、野暮用のついでに、お届けすることに…

 

地図上では、その近くに大きな池があります。

 

きちんと見たことがないので、取材で行ってみることにしました。

 

「北八幡雨水調整池」です。

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ここかぁ…

 

内水氾濫を防ぐため、雨水をためる調整池です。

 

市内でも一番貯水量の多い施設…

 

北八幡川の水を貯えます…

 

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この川のもとをたどれば、裾花川です…!

 

戸隠連峰 高妻山に降る雨が起源の川…

 

その後の治水対策事業で整備されています。

 

 

 

 

平坦な市街地を流れるおとなしそうな水の流れですが、

 

アスファルトやコンクリートで舗装した土地が多く、

 

側溝が整備されたこともあり、一気に水が集まってしまうようです。

 

以前にも、ゲリラ豪雨で周囲で水がでて、浸水被害もあったとの話…

 

川に蓋がかぶせてあるところも多く、暗渠になっている部分もあります。

 

傾斜がなだらかなため、縦横無尽に流れを変えて流れているのも

この川の特徴です。

 

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戸隠や鬼無里だけでなく、市街地でも大雨が降ると、

川に水が集中してしまう結果になっています。

 

自然との付き合い方を、もっとうまくやりましょう!

 

そのためには、もっと足元の下の地層や身近な高低差を気にしたり、

水の分散化を工夫する知恵が必要です。

 

🐕「それには、身近な自然をよく見て、違いに気づくことが大切…」

 

柴犬館長の教えです。

 

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この調整池の南側には、都市公園があり、飯縄山がこんな形に見えました!

 

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あの山のふもとを、毎日、館長と視察しているのかぁ…

 

普段より、とても高く見える立派な火山…

 

昨日紹介した軽石類もたくさん噴き出した山です。

 

そう思うと、感慨深いものが…

 

裾花川の流れの果てで、ちょっと感動です。

 

🐕「昔は、ここもあの山のふもと、飯綱高原と同じ高さの平野だったのじゃ」

 

🐕「それは、30万年ぐらい前のことじゃ…」

 

 

 

今日も、おあとがよろしいようで…